本日のストラテジー

 15日の米国株式市場で、NYダウは前日比-94.42ドル(-0.27%)の34,299.33ドルと続落しました。S&P500指数は前日比-0.20%、ナスダック総合指数は同-0.71%と主要3指数は揃って下落しました。S&P500指数とナスダック総合指数は4営業日ぶりの下落です。この日は、16日のFOMCの結果発表を控える中で、米国で市場予想を下回る経済指標が相次いだことにより、S&P500指数やナスダック総合指数は連日での最高値更新とはなりませんでした。

 カリフォルニア州では15日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人には原則としてマスク着用義務が解除されました。また、ニューヨーク州でもワクチン接種者に対して感染防止のための人数制限などのルールが解除されるなど、経済活動が正常化に向かいつつあります。経済活動の正常化に伴う需要の増加期待からWTI原油価格が上昇し、エネルギーセクター上昇の支えとなりました。一方、米国国債利回りがわずかながら上昇する場面もあり、大型テクノロジーセクターなどの下落が指数の重荷となりました。S&P500指数セクター別ではエネルギーが前日比+2.06%、資本財・サービスが同+0.46%、公益事業が同+0.34%となる一方、不動産が同-1.03%、情報技術が同-0.63%、コミュニケーション・サービスが同-0.49%となりました。

 日経平均先物CME終値は29,320円となりました。日経平均株価の6月~8月の配当落ち約41円を考慮した場合、実質的なCME終値は29,361円と試算され、日経平均株価の前営業日終値(29,441円)をやや下回る水準です。足もとのドル円相場は1ドル=110円00銭台と、前日の15:00時点から横ばい圏です。15日の東京市場では、米国株高や円安を受け日経平均株価は約1ヶ月ぶりの高水準となりました。日経平均株価では一部の小売企業や半導体関連株が指数に与える影響が大きいことから、市場予想を下回った米国5月小売売上高やフィラデルフィア半導体株指数の下落の影響に注目が集まります。

 日本時間の11時には中国で5月の主要経済統計が発表される予定です。同国5月の貿易統計が輸出入共に市場予想を下回ったこともあり、主要統計で中国の堅調さが改めて確認できるかは、日本の企業業績を占う上でも注目されます。

 15-16日にかけて開催されているFOMCの結果や経済見通しに注目が集まります。米国野村證券では、資産買入の段階的縮小に関する議論開始は本会合ではなく7月の会合からと予想しています。また、今回発表されるFOMC参加者の政策金利見通しでは、中央値が2023年末の利上げを示唆するとみています。仮に政策金利の見通しの中央値が2023年末の政策金利の据え置きを示す結果となれば、金融緩和策の早期縮小懸念が後退し株式市場に好感される可能性もあります。

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