本日のストラテジー

 22日の米国株式市場で、NYダウは前日比+68.61ドル(+0.20%)の33,945.58ドルと続伸しました。S&P500指数は前日比+0.51%、ナスダック総合指数は同+0.79%と主要3指数は揃って上昇しました。アマゾンや、アップルといった主力ハイテク株が上昇し、ナスダック総合指数は6月14日以来の最高値更新です。マイクロソフトも史上最高値を更新しました。

 この日は、パウエルFRB議長の議会証言を受けて、米国国債利回りが低下したことが株式市場の支えになりました。パウエル氏は、FRBは予防的に利上げすることはないと示し、インフレ率の高まりについて「一過性の供給制約が和らげばFRBの長期的目標に向けて低下していく」としました。概ね前日に公表された草稿に沿う内容となりましたが、早期の政策金利の引き上げを懸念させるような発言はなく、株式市場の支えとなりました。この日は、消費関連株や景気敏感株の上昇が目立った他、米国国債利回りが低下したことから大型テクノロジー株も堅調に推移し、主要3指数は上昇して取引を終えました。S&P500指数セクター別では一般消費財・サービスが前日比+1.04%、情報技術が同+0.88%、コミュニケーション・サービスが同+0.75%となる一方、公益事業が同-0.67%、不動産が同-0.44%となりました。

 日経平均先物CME終値は28,795円となりました。日経平均株価構成銘柄の6月~8月の配当落ち約41円を考慮した場合、実質的なCME終値は28,836円と試算され、日経平均株価の前営業日終値(28,884円)をやや下回る水準です。足もとのドル円相場は1ドル=110円60銭台と、前日の15:00時点の110円40銭台からわずかに円安です。

 22日の東京市場では、米国株高を受け日経平均株価は前日比で873円の反発となりました。21日引け後に商船三井が、傘下のコンテナ船事業運営会社の業績見通しが上振れた事を受け2022年3月期の業績見通しの上方修正を発表しました。これが好感され、他の海運会社も、業績上振れ期待が高まり、東証33業種別では海運が上昇率トップとなりました。22日の引け後には川崎汽船が2022年3月通期の業績見通しを上方修正しています。22日に大幅上昇したことから一部株価に織り込んでいる可能性はあるものの、引き続き海運セクターに注目が集まります。

 米国、ユーロ圏、日本では6月マークイットPMI速報値が発表予定です。米国の5月分は製造業とサービス業が共に好調な結果となりました。米国の6月の市場予想は製造業で61.5、サービス業で70.0となっています。他方、ユーロ圏の6月の市場予想は製造業で62.3、サービス業で58.0となっています。経済活動が正常化に向かっているため、引き続き高水準を維持できるか注目です。

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