本日のストラテジー

 23日の米国株式市場で、NYダウは前日比-71.34ドル(-0.21%)の33,874.24ドルとなりました。S&P500指数は同-0.10%と下落する一方、ナスダック総合指数は同+0.12%と2営業日連続で史上高値を更新しました。FRB高官の金融緩和縮小のスケジュール前倒しを示唆する発言が重石となり、NYダウとS&P500指数は終盤に下げが強まり、この日の安値付近へ下げて引けました。S&P500指数を11セクター別でみると、一般消費財・サービスが前日比+0.62%、金融が同+0.27%、エネルギーが同+0.26%となる一方、公益事業が同-1.05%、素材が同-0.61%、生活必需品が同-0.56%となりました。

 この日の経済統計をみると、マークイット社の6月米国製造業PMIが62.6と2009年10月の統計改定以来過去最高となりました。内訳の仕入れ価格は83.8と、5月の78.1からさらに上昇して過去最高となりました。マークイット社は「企業がコスト増を転嫁するために販売価格を急速に押し上げている」「人材確保に苦戦している」「製品の納品までにかかる期間が過去最長となっている」など供給力の問題を指摘しています。

 また5月の米国新築住宅販売件数は76.9万件と、市場予想の86.5万件を大きく下回り、2020年5月以来の水準となりました。木材などの建材価格が値上がりしており、販売価格の中央値は37.44万ドルで前年比+18.1%となり、史上最高を記録しました。値上がりが販売の低下要因となっています。

 日経平均先物CME終値は28,720円となりました。構成銘柄の6月~8月の配当落ち約41円を考慮すると28,761円と試算されます。前営業日の日経平均株価の終値28,874.89円を下回る水準です。足もとのドル円相場は1ドル=110円90銭台と、前日の15:00時点の110円80銭台から若干円安が進んでいます。米国市場では、2020年3月26日以来の111円台を記録していました。米国株式市場が引けにかけて弱含んだ流れが、日本市場の寄り付きに続く可能性があります。

 本日、日本ではアルマード、セレンディップHDなど4社のIPOがあります。企業決算は、日本オラクル、米国でフェデックスやナイキの決算発表があります。また、ドイツで6月IFO景況感指数、米国で5月耐久財受注統計が発表されます。

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