主要アセット週間騰落ランキング【2021年6月18日~6月24日】
前週の世界株式市場は、米国の利上げ開始時期を巡るFRB高官や地区連銀総裁の発言などを受けて上下に振れる展開ながらも、全体的には底堅く推移しました。長期金利の安定を受けて、NASDAQ総合指数は史上最高値を更新しています。日本株は上下に値動きの荒い動きとなりました。
業種別に見ると、グローバルでは、原油価格上昇を受けてエネルギーが急伸したほか、素材、金融、情報技術など幅広い業種が上昇しました。日本でも、エネルギー資源の上昇が目立ちました。為替市場では、メキシコペソ、ブラジルレアルが急騰しています。
(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年6月24日。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
(山内 正一郎)
日本:日銀短観や米雇用統計に注目
前週の振り返り
FRBによる政策金利の早期引き上げ観測が浮上し、週初に日経平均株価は急落し、一時2万8,000円台を割り込みました。その後、FRB高官の発言や円安ドル高が支えとなり、2万8,000円台後半まで値を戻しました。
今週の展望
日本では、6月調査・日銀短観(7/1)が発表されます。3月調査に続き、世界的な製造業の復調やワクチン接種の進展が景況感回復にどの程度影響しているか注目です。
今週最も注目されるイベントが、米国の6月雇用統計(7/2)です。市場の焦点となっているFRBの金融政策に大きな影響を与える統計であるため、その結果に注目が集まります。
(今村 允)
米国:上値が重い可能性はあるが
前週の振り返り
週初に反発後、NYダウとS&P 500 は上値が重く推移しましたが、インフラ投資期待でS&P 500 は最高値を更新しました。
今週の展望
ISM製造業景況指数等が発表されますが、今週末は独立記念日の3連休となることに加え、雇用統計の発表を控え、上値の重い展開も予想されます。
一方、長期金利が安定していることで、ナスダック総合指数は高値更新が続いています。独自技術で成長している企業については、7月中旬から始まる四半期決算で業績堅調が認識されれば、株式市場で評価が高まると予想されます。業績を見極め投資機会を探っていきたいと考えます。
(村山 誠)
新興国:インドなど感染ピークアウトの国々の景況感回復に注目
前週の振り返り
米国の利上げ前倒し観測が高まりましたが、主要新興国の為替市場は景気持ち直し期待に加えて、米国の金融政策正常化を織り込んできており、堅調な値動きとなりました。特に予想外の利上げが実施されたメキシコペソ、6月16日の金融政策会合で大幅利上げが検討されたことが22日発表の議事録で明らかになったブラジルレアルが上昇しました。
今週の展望
6月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が30日の中国を皮切りに主要新興国で相次いで発表されます。インドなど新型コロナの感染がピークを越えた国々で景況感の改善が確認されれば、通貨高などの押上げ効果が見込まれます。
(服部 哲郎)