主要アセット週間騰落ランキング【2021年6月25日~7月1日】

 前週の世界株式市場は、新型コロナのデルタ変異株の感染拡大への警戒が強まり相場の重石となりましたが、米国株は長期金利の安定と経済正常化への期待から底堅く推移しました。S&P500指数とNASDAQ総合指数は史上最高値を更新しています。

 業種別に見ると、グローバルでは、情報技術やヘルスケアが堅調に推移しましたが、エネルギー、不動産、金融、素材などは軟調でした。

 日本では、エネルギー資源、不動産、食品、鉄鋼・非鉄など、幅広い業種が売りに押されました。

 為替市場では、ドル円が1ドル=111円台へ上昇しています。 

(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年7月1日(香港は6月30日)。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(山内 正一郎)

日本:安川電機の決算発表に注目

前週の振り返り

 米国ではS&P500指数が史上最高値を更新する一方、日本では新型コロナの感染再拡大への懸念が重石となり、日経平均株価は28,000円台半ばまで下落しました。

今週の展望

 米国で7日、6月開催されたFOMCの議事録が公表されます。参加者の多くはインフレ加速は一時的であるとの考えを表明していますが、それに沿う内容となるか注目です。

 日本では、9日に安川電機の決算発表が予定されています。経済の正常化に伴い中国で需要の回復が継続することが予想されますが、同社の中国での事業環境は他の日本企業の動向を占う上でも注目されます。

(今村 允)

米国:ニュースに乏しい週となるかもしれないが

前週の振り返り

 米長期金利が1.5%を下回って推移したこともあり、 S&P 500 指数、ナスダック総合指数ともに史上最高値を更新しました。

今週の展望

 6月ISM非製造業景況指数やFOMC議事録が発表されますが、翌週からの主要企業の決算発表を前に、全般的にニュースが乏しくなることが予想されます。

 一方、多くの企業で業績は好調と予想されることから、長期金利が安定推移すれば、米国株式市場は引き続き堅調に推移すると予想されます。決算発表で好業績が確認された企業の株価は、一段と上昇する可能性があります。業績を見極めて投資機会を探っていきたいと考えます。

(村山 誠)

新興国:インフレ高止まりとなれば、トルコを除き利上げ期待が強まろう

前週の振り返り

 資源高を背景とした資源国通貨の上昇は一服しました。感染力が強い新型コロナ「デルタ変異株」の感染拡大を受け、各国が国内外の移動制限を再強化する中、景気回復ペース鈍化への懸念が相場を下押ししました。

今週の展望

 5日にトルコ、8日にメキシコ、ブラジル、ロシアにおいて6月の消費者物価が発表されます。インフレ率が高止まる場合、中央銀行が利上げ継続の方針を明確にしているブラジルとロシア、先月、予想外の利上げを実施したメキシコでは通貨高圧力が高まりやすいでしょう。政治的圧力により利上げは困難と見られるトルコリラには下押し圧力がかかりやすいと見られます。

(野手 朋香)

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら

業種分類、Nomura21 Globalについて

ご投資にあたっての注意点