※画像はイメージです。

※2024年11月28日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

日経平均株価、8月安値以降の日柄調整は十分、ダブルボトムも完成

今週の日経平均株価は、円高進行が重石となった一方、内需セクターを中心に堅調で、底堅く推移しました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、11月7日に一時39,884円まで上昇しましたが、トランプトレードの一巡等から調整となり、18日には200日移動平均線(11月28日38,627円)を下回りました。

その後、21日に一時38,000円を割り込んでおり、次の下値メドとして、10月24日安値(37,712円)の水準が挙げられます。同水準は 9月下旬以降の保ち合いレンジ(3万7千円台半ば~4万円前後)の下限でもあり、下支えとなるか注目されます。

仮に、それら水準を割り込み、さらなる調整となった場合は、9月19-20日のマド埋め水準(37,394円)や、9月18-19日のマド埋め水準(36,675円)が次の下値メドとして挙げられます。

一方、調整一巡後に反発となった場合、まずは200日線(11月28日:38,627円)や25日線(同:38,665円)の水準を突破できるか注目されます。

8月安値(31,156円)以降、これまでに約3ヶ月半が経過し、日柄調整が十分となり、また上昇の過程で底入れのパターンであるダブルボトムが完成しています。目先の調整一巡後に、本格的な上昇相場再開へ向けた動きとなることが期待されます。

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(注1)直近値は2024年11月28日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

停滞する日経平均株価、出遅れ修正はあるのか

米国株が史上最高値を更新し続ける中、日本株は上値が重く、日経平均株価は4万円台回復を目前に停滞しています。日経平均株価と連動性が高い米ナスダック総合指数が最高値圏にある一方で、日本株の出遅れが目立っています。しかし、チャートの観点からは、2024年7月に記録した史上最高値からの日柄調整が進展しているようです(図2)。

日経平均株価の週足チャートでは、移動平均線が収れんしています。短期(13週線_11月28日:38,345円)、中期(26週線_同:38,462円)、長期(52週線_同:37,859円)の移動平均線は、上下600円程度の範囲に収まっています。13週・26週の移動平均線は横ばいで、52週線は上向きで推移し、この差はさらに縮まる見込みです。

これらの移動平均線の収れん現象は、株価の調整が進み、株価が移動平均線から放れた方向への新たなトレンドの兆しを示しています。日経平均株価がこの先38,400円を上抜けるか、37,800円を下抜けるかが重要なポイントです。

(注1)直近値は2024年11月28日。 (注2)日柄は両端を含む。(注3)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

総合的に見れば、日経平均株価は近く上放れする可能性が高いと考えられます。東証プライムの騰落レシオは11月に入り一時82%まで低下し、株価底入れの目安となる70~80%に接近しました(図3)。

過去の月別平均騰落率でも、12月は+1.11%、1月は+2.23%となっており、相場改善の兆しが示唆されています(図4)。日本株の出遅れ修正に備えるタイミングと考えられます。

(注1)直近値は2024年11月28日時点。 (注2)東証プライム騰落レシオの主なボトムと、その前後の日経平均株価を赤丸囲みで示した。 (注3)東証プライム騰落レシオが70~80%の箇所を赤色網掛けしている。
(出所)日本経済新聞社、東京証券取引所より野村證券投資情報部作成

(注1)図中の平均は1-12月の月別騰落率の平均値。(注2) 順位は平均月別騰落率の上位順。(注3)矢印は最もパフォーマンスが悪い9月から翌年1月にかけての局面。(注4)騰落率がプラスを勝ち、マイナスを負けとしてカウント。
(出所)日本経済新聞社、東京証券取引所より野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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