主要アセット週間騰落ランキング 【2021年7月9日~7月15日】

 前週の世界株式市場は、FRB議長の半期議会証言を波乱なく通過し、アジア・新興国の株式市場は全体的に堅調に推移しましたが、日米欧の主要市場は決算発表の本格化を控え一進一退の動きとなりました。日本株は週初に急伸しましたが、国内の新型コロナ感染再拡大などが嫌気され、週後半にかけて伸び悩みました。

 業種別に見ると、グローバルでは、原油価格の反落を受けてエネルギーの下げが目立ちました。

 日本では、運輸・物流が下げましたが、建設・資材、機械、金融(除く銀行)など幅広い業種が前週の下落から反発しました。

(山内 正一郎)  

(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年7月15日(トルコは7月14日)。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

日本:企業決算発表に注目

前週の振り返り

 日経平均株価は週初に急伸しましたが、新型コロナの感染拡大や週半ばの円高ドル安進行を受けて週後半は失速しました。

今週の展望

 今週はオリンピック開催のため、木・金曜日は休場です。日米で決算発表が本格化します。20日にディスコ、21日に日本電産など、日本の主要製造業が先陣を切って決算を発表します。

 経済指標では、20日に6月コンビニエンスストア売上高、21日に6月スーパー売上高が発表されますが、7月の新型コロナ感染再拡大前の統計です。一方、21日に6月貿易統計が発表されます。製造業の決算とあわせ、外需主導の景気回復のスピードを確認できるかが注目点です。

(今村 允)

米国:イベント無事通過で市場参加者の関心は企業業績へ

前週の振り返り

 一進一退となりました。6月消費者物価指数が市場予想を上回ったものの、パウエルFRB議長が半期議会証言で従来姿勢を維持し、市場の反応は冷静でした。

今週の展望

 住宅関連指標が複数発表予定で、資材・労働力不足に伴う建設費用上昇や、供給不足の状況を確認したいと思います。

 7月FOMCが翌週に開催されますが、FRB議長の議会証言から2週間弱での会合でもあり、政策スタンスが大きく変わるとは考え難く、株式市場参加者の関心は、発表が進む米企業の4-6月期決算に移るとみられます。決算発表で業績堅調が確認されれば、出遅れ銘柄については割安感が再認識されると予想されます。

(村山 誠)

新興国:各国の政策金利の発表に注目

前週の振り返り

 主要新興国の為替市場は総じて軟調な値動きでした。トルコ中銀は政策金利を19%で据え置き、エルドアン大統領の利下げ要求圧力の中で独立性が保たれたとの見方からリラは小幅に上昇しました。南アフリカランドはズマ前大統領収監に対する暴動が嫌気され下落しました。

今週の展望

 金融政策会合が22日に南ア、インドネシアで開催されます。南アは前回会合で利上げが示唆されましたが、暴動による景気下押しリスクもあり、利上げ見送りの可能性もあります。インドネシアでは、感染再拡大が景気を下押しする中でも、通貨の安定を優先し、政策金利の据え置きが見込まれます。

(岩崎 晴弥)

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