米金利の低下圧力が根強く、先週後半のドル円は再び110円割れでの推移となった。デルタ変異株拡大への警戒も燻る中、ユーロ円などのクロス円相場についても上値の重い展開だ。OPEC+の合意を織り込む中で原油価格が調整していることも、対資源国通貨中心に円高圧力を強めていよう。今週は23日(金)東京五輪開幕を受け日本が4連休となる。ドル円取引の流動性低下の可能性も意識され、慎重姿勢で臨む参加者が多そうだ。ドル円相場はやや上値の重い展開が見込まれる。

 米国では28日(水)FOMC会合を控え、今週はFRB高官の発言が少なくなる。23日(金)総合PMIを中心に、今週も経済指標を丹念に確認していくことが重要になるが、FOMCを前に大きなトレンドの転換はなさそうだ。今週には超党派で進められているインフラ投資法案について、上院で審議入りに向けた動議の採決が行われる可能性があり、財政政策面での進展が見られるかも注目される。来週のFOMC会合ではテーパリングについての議論が進められる見通しだが、6月の雇用改善が限定的となったこともあり、9月会合でのテーパリング決定を示唆するほどの明確な進展は見られないだろう。市場の注目は8月初旬の経済指標やジャクソンホール会合へとシフトしよう。

※2021年7月19日発行「国際金融為替ウィークリー」より一部抜粋
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