主要アセット週間騰落ランキング【2021年7月16日~7月20日】

 前週の世界株式市場は、デルタ型変異株の感染拡大による経済正常化の遅れへの懸念が拡大し、全体的に軟調に推移しましたが、好調な企業決算発表への期待感などに下支えされ、週初安後は下げ渋っています(20日時点)。

 業種別に見ると、グローバルでは、OPECプラス閣僚会議での協調減産枠縮小合意による原油価格の大幅下落を受け、エネルギーの下げが目立ちました。米長期金利が一段と低下し、素材や金融も下げましたが、情報技術は相対的に底堅く推移しました。

 日本でも、エネルギー資源、鉄鋼・非鉄の下げが目立っています。

  

(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年7月20日(トルコ、インドネシア、フィリピンは7月19日)。 
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(山内 正一郎)

日本:本格化する決算発表、日本株反発の要因となるか

前週の振り返り

 デルタ型変異株の感染拡大による経済正常化の遅れが懸念され、日経平均株価は27,000円台前半に下落しました。

今週の展望

 本格化する決算発表に注目です。多くの業種、企業では前年同期比で業績の大幅な改善が見込まれています。一方、デルタ型変異株の感染拡大による不透明感が高まる中、通期業績の見通しを上方修正する企業がどの程度あるかにも注目です。

 主要企業では、27日に信越化学工業、29日にファナック、村田製作所などが決算発表予定です。好調な業績推移が確認できれば、低迷する日本株の反発要因になると期待されます。

(今村 允)

米国:情報技術企業の4-6月期決算発表が本格化

前週の振り返り

 週初にコロナ感染再拡大懸念で大きく下落しましたが、翌日には反発しました。

今週の展望

 FOMC(27・28日)では政策変更はないとみられますが、パウエルFRB議長の記者会見等における、テーパリング開始時期についてのコメントが注目されます。

 30日にはFRBがインフレ指標として重視するコアPCEデフレーターが発表されます。足元のインフレ状況を確認したいと思います。

 今週は、大手情報技術企業の決算発表が本格化します。企業によっては実績と市場予想の乖離で株価が大きく上下するかもしれませんが、業績動向や成長ストーリーを見極め、投資機会を探っていきたいと考えます。

(村山 誠)

新興国:メキシコ実質GDP、メキシコ・トルコ・南アの貿易収支に注目

前週の振り返り

 主要新興国の為替市場は、デルタ変異株の感染拡大懸念や原油価格の急落により下落しました。

今週の展望

 30日にメキシコの4-6月期実質GDPが発表されます。インフレ加速から6月に利上げが実施されましたが、景気回復が確認できれば、ペソの押し上げ要因になると見られます。

 6月の貿易収支がメキシコで27日、トルコと南アフリカで30日にそれぞれ発表されます。景気回復が見込まれる南アフリカやメキシコは黒字基調を維持できるかが注目されます。赤字の続くトルコでは赤字幅拡大がリラ安要因になる懸念があります。

(岩崎 晴弥)

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