本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンサスの比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

ダイキン工業 (6367)
クボタ (6326)
オリックス (8591)
協和キリン (4151)
日本製鉄 (5401)

ダイキン工業、営業利益実績は前年比2倍に 通期見通しを最高益予想に上方修正

 4-6月期の営業利益実績は市場予想を上回りました。国内では、住宅向けは「うるさらX」など換気のできる高付加価値のエアコンが好調でした。業務用はコロナ対策として換気・除菌ニーズに対応した空調機器製品が伸びました。米州では昨年新型コロナ感染拡大の影響で工場が一部停止していた反動に加えて、猛暑や巣ごもりによる需要の増加がありました。中国もオンラインを活用した販売活動により堅調な推移となりました。会社は通期見通しを上方修正しており、達成できれば営業利益は過去最高の更新となります。

クボタ、4-6月期営業利益は市場予想を上回る 欧米で建機、アジアで農機が伸びる

 4-6月期営業利益は市場予想を上回りました。売上高では、8割超を占める機械部門が前年同期比30.9%増とけん引しました。欧米では郊外移住による建設増や経済回復を背景にトラクタや建機が増加し、アジアでは良好な天候や安定した農作物価格を背景に農機が伸びました。会社は、国内外市場が堅調に推移していることや、当初想定よりも円安が進行していることなどを受けて、通期の営業利益予想を400億円引き上げました。同時に、未定としていた中間配当を前期比4円増の21円とすることも発表しました。

オリックス、利益実績が市場予想を上回る 資産売却などが貢献

 4-6月期の親会社株主利益は市場予想を上回りました。生命保険料収入および運用益などは減少したものの、有価証券売却益の増加や、自動車関連事業における車両売却益や賃貸不動産の売却などによるオペレーティング・リース収益の増加などによって、増益を確保しました。

協和キリン、利益実績は市場予想を下回る 販管費及び研究開発費が重石に

 4-6月期の親会社株主利益は市場予想を下回りました。売上収益は、日本は減収となったものの、北米及びEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)においてクリースビータ(X染色体連鎖性低リン血症治療剤)やポテリジオ(抗悪性腫瘍剤)などのグローバル戦略品が伸長し、アジアも中国を中心に好調に推移した結果、増収となりました。しかし、販売費及び一般管理費や研究開発費が増加したことに加えて、法人所得税費用が増加したため、親会社株主利益は減益となりました。

日本製鉄、事業利益が黒字転換 通期見通しを大幅上方修正

(注)日本製鉄は「事業利益」を連結経営業績の代表的指標としています。事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、並びにその他費用を控除し、持分法による投資利益及びその他収益を加えたものです。

 4-6月の事業利益実績は前年同期から黒字転換しました。コスト改善に加え、生産・出荷能⼒の絞り込みによる注文選択の効果や、海外子会社の収益⼒の向上などにより、業績が大幅に改善しました。堅調な事業環境を受けて、会社は通期の事業利益見通しを大幅に上方修正しています。第2四半期の剰余金の配当についても、従来は未定としていましたが、1株につき55円の予定としました。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサスは2021年8月3日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

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