主要アセット週間騰落ランキング【前週末~2021年8月5日】
前週の世界株式市場は、新型コロナの感染再拡大への懸念が引き続き相場の重石となりましたが、米長期金利の低下傾向や主要企業の決算発表が概ね良好な結果となっていることに加え、前週に急落した中国・香港市場が持ち直したことなどにも下支えされ、全体的に底堅く推移しました。
業種別に見ると、グローバルでは、公益、情報技術、金融、一般消費財など幅広く上昇しました。
日本では、商社・卸売、鉄鋼・非鉄、機械、電機・精密などの景気敏感セクターの上昇が目立った一方、医薬品、小売などは冴えない値動きとなりました。
(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年8月5日。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
(山内 正一郎)
日本:決算発表が終盤を迎える
前週の振り返り
足元で大きく下落していた中国市場や香港市場などの持ち直しに加え、国内の良好な企業業績を背景に日経平均株価は27,000円台後半に上昇しました。
今週の展望
決算発表が今週で終盤を迎えます。これまでに発表された決算では、製造業を中心に会社の通期業績見通しの上方修正が目立っており、この傾向が今週も続くか注目されます。主要企業では、10日にブリヂストン、ソフトバンクグループが発表予定です。
経済指標では、10日に7月景気ウォッチャー調査、11日に7月工作機械受注速報が発表されます。コロナ変異株による悪影響が懸念される中、今後の企業業績を占う上で注目です。
(今村 允)
米国:7月CPIには留意
前週の振り返り
週前半はデルタ株懸念等から上値が重い展開となりましたが、5日にS&P 500 とナスダック総合指数は高値を更新しました。
今週の展望
11日に7月CPIが発表されます。6月CPIは市場予想を上回りましたが、経済活動再開に関連した項目がけん引していたことから、FRBの政策スタンスを変えるものではないと受け止められ、株式市場の反応は限定的でした。
米企業の4-6月期決算発表は概ね一巡し、今後は小売やソフトウェアなどの5-7月期決算発表が来週以降に多数予定されています。決算発表で好業績が確認されれば、割安感が再認識されると予想されるので、投資機会を探っていきたいと考えます。
(村山 誠)
新興国:トルコ、メキシコの金融政策決定会合に注目
前週の振り返り
トルコでは3日に7月消費者物価指数が発表され、前年同月比+18.95%と市場予想を上回りました。4日にはブラジルで政策金利が市場予想通り4.25%から5.25%に引き上げられました。次回会合での利上げも示唆されました。
今週の展望
12日にトルコとメキシコで金融政策決定会合が予定されています。トルコ中銀総裁は前回会合で政策金利はインフレを上回る水準で決定されると発言しており、額面通り受け取れば、利上げが見込まれます。メキシコは前回会合でインフレ抑制のため、利上げを実施しました。9日発表の7月消費者物価次第では再利上げの可能性があります。
(岩崎 晴弥)