本日引け後から16:00までに決算を発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄について、実績とQUICKコンセンサスの比較を行いました。本日は以下の銘柄になります。

富士フイルムホールディングス (4901)
朝日インテック (7747)
日本通運 (9062)
日本電子 (6951)
シチズン時計 (7762)

富士フイルム、市場予想を上回る大幅増益 ヘルスケア領域がけん引役に

 4-6月期の営業利益実績は、市場予想を上回りました。新型コロナ関連に有用な製品の需要が拡大したことで、メディカルシステム事業やバイオCDMO事業などのヘルスケア領域を中心に売上を伸ばし、大幅増益を確保しました。好調な業績を受けて、通期見通しも上方修正されました。

朝日インテック、2021年6月期の営業利益実績は市場予想並みの水準で着地

 2021年6月期の営業利益実績は市場予想並みの水準でした。2021年6月期の売上高は、新型コロナの影響により、デバイス事業が減収し、またメディカル事業においても、全地域において症例数が減少する影響を受けましたが、メディカル事業の海外市場において、自社ブランド製品の販売促進活動強化や直接販売の推進などにより増収となりました。同期の営業利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの、前期比2.8%増と増益を確保しました。2022年6月期の業績予想は、上半期を中心に新型コロナの影響が継続するものの、なだらかに回復に向かい、下半期への影響は限定的になることを想定しています。

日本通運、営業利益実績は市場予想を下回る 通期見通しは売上高が上方修正

(注)日本通運は、2021年度より決算期を3月31日から12月31日に変更しています。当期は、決算期の変更により2021年4月1日から2021年12月31日の9ヶ月間となっています。

 4-6月期の営業利益実績は、市場予想を下回りました。第1四半期の業績は、航空運送を中心とした国際貨物の輸送需要が伸長し、各セグメントとも概ね好調に推移しました。「収益認識に関する会計基準」等の適用により、売上高は178億円減少しましたが、各利益指標に与えた影響は軽微でした。最近の業績動向を踏まえ、通期の業績予想は売上高が上方修正されました。

日本電子、4-6月期営業利益実績は前期比11倍 マルチビーム描画装置の受注好調で

 4-6月営業利益実績は前年同期比11倍と市場予想を上回りました。理科学・計測機器事業では、電子顕微鏡を中心とした引き合いが好調に推移しました。産機器事業ではEUV露光装置市場の拡大にともない、マルチビーム描画装置を中心に受注が好調に推移し、同事業のセグメント利益は大幅増となりました。

シチズン時計、時計と工作機械が回復 通期見通しを上方修正

 4-6月期営業利益は市場予想を上回りました。高収益のムーブメント(駆動装置)外販を含む時計事業が回復していることに加え、中国や欧州向けの工作機械事業が堅調に推移していることから、2022年3月期通期の業績予想を上方修正しました。また、通期の配当を前回会社予想から4円増配となる18円とすることも発表しました。

(注1)本日引け後16:00までに決算発表した企業の内、野村カバレッジ銘柄の時価総額上位5銘柄のみ掲載している。野村カバレッジ銘柄でもQUICKコンセンサスのない銘柄は除外している。すべてを網羅しているわけではない。QUICKコンセンサスは2021年8月13日時点。
(注2)画像はイメージ
(出所)日本経済新聞社、野村證券エクイティ・リサーチ部より野村證券投資情報部作成

・前日(8/12)の決算速報:<野村の決算速報>住友不動産、ヤマトHD、サントリー食品、JFE、ラクス(8/12)

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