先週金曜日の8月ミシガン大消費者信頼感指数の下振れにより、7月雇用統計公表後のドル高は巻き戻された。米利上げ期待も後退、10年債利回りは再び1.3%を割り込んでいる。為替市場では金利差に敏感な円の対ドルでの上昇が目立ち、ドル円相場は再び110円を割り込んだ。ドル円が上値を試す展開は小休止となり、目先は再び110円を中心としたレンジ相場へと回帰するリスクが高まっていよう。

 先週金曜日公表のロイター調査によれば、43人中28人のエコノミストが9月FOMCでのテーパリング決定を見込んでいた。雇用統計後の調査とはいえサプライズである。消費者心理の悪化もあり、9月FOMCでのテーパリング決定は依然としてリスクシナリオにとどまるが、ジャクソンホール会合を前にした17日(火)パウエル議長講演、18日(水)FOMC議事要旨などでのFRBのコミュニケーションが注目される。また、消費者心理が大きく悪化したことから、17日(火)小売統計の重要度も高まっている。16日(月)NY連銀製造業指数などで、デルタ変異株の企業景況感への影響を確認することも重要だろう。

 日本からは17日(火)貿易統計などの経済指標が予定されているが、国内での感染拡大が懸念される中、日銀の政策姿勢が目先の指標に影響を受ける可能性は低い。ドル円相場の反応も限定的となろう。

※2021年8月16日発行「国際金融為替ウィークリー」より一部抜粋
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