主要アセット週間騰落ランキング【2021年8月20日~8月26日】

 前週の世界株式市場は、前半はワクチン接種の普及や米下院で可決された財政支出への期待などから堅調に推移しましたが、後半はアフガニスタン情勢の悪化や週末のジャクソンホール会議などを控えて上値の重い展開となりました。 

 業種別に見ると、グローバルでは、原油価格急伸を受けてエネルギーの上昇が目立ったほか、一般消費財など景気敏感セクターが幅広く上昇しました。一方、公益などディフェンシブ関連は総じて軟調でした。日本でも、前週に大きく下げた鉄鋼・非鉄、自動車・輸送機などの景気敏感セクター中心に買い戻しが広がりました。

(注)業種別株価は、グローバルがS&P Global 1200指数(GICS11業種)ベース、日本がTOPIX17業種ベース。業種表記は一部略称。為替ランキングは対円レートの騰落(プラスが円安)。直近値は2021年8月26日。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(山内 正一郎)

日本:鉱工業生産などの経済指標に注目

前週の振り返り

 足元で下落していた半導体関連株の持ち直しに加え、米国主要指数の最高値更新を受け、日経平均株価は27,000円台後半に上昇しました。

今週の展望

 日本で7月鉱工業生産(速報)(8/31)が発表予定です。6月の同指標では、自動車工業などが牽引し市場予想を上回る結果となりました。新型コロナウイルスの影響による供給制約の懸念は残るものの、堅調さを維持する業種などが確認できれば日本株の支えとなる可能性もあります。

 加えて、日本の4-6月期法人企業統計季報(9/1)が発表されます。また、FRBの金融政策に影響を与える米国8月雇用統計(9/3)が注目されます。

(今村 允)

米国:引き続きソフトウェア企業の決算発表に注目

前週の振り返り

 コロナワクチンの普及や、大型財政支出による景気拡大に対する期待が次第に優勢になり、じり高となりました。

今週の展望

 8月ISM製造業・非製造業景況指数、8月雇用統計等、重要な経済指標が発表されます。労働市場の回復等が示されれば、テーパリングの前倒し観測が高まる可能性には留意が必要でしょう。

 今週もソフトウェア企業の5-7月期決算発表が複数予定されています。前週の決算発表では、好業績に株価が素直に反応する事例が散見されました。株価が出遅れているような銘柄については、好業績が確認されれば、割安感が再認識されると予想され、引き続き注目したいと考えます。

(村山 誠)

新興国:デルタ株感染状況を受けた製造業PMIに注目

前週の振り返り

 米国など先進国のPMI(購買担当者景況指数)低下に伴う米国の早期テーパリング(量的緩和の段階的縮小)の可能性の後退や、中国金融当局が適度な資金供給実施で景気を後押しする姿勢を示したことを受けて、市場のリスク心理が改善し、新興国通貨は堅調に推移しました。

今週の展望

 4-6月期実質GDPが8月31日にインド、9月1日にトルコ、ブラジルで発表されます。また、8月31日に中国の政府版PMI、9月1日に主要新興国の製造業PMIが発表となります。デルタ株の感染状況は国毎に差があることから、足元の景況感にその違いが反映されるかが注目されます。

(服部 哲郎)

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