野村證券は「日本株投資戦略(11月号)」にて、2022年12月末の日経平均株価見通しを公表いたしました。今回はレポートの冒頭要約部分を特別公開いたします。なお、プレミアムプラン限定で公開しているレポート本編では、市場展望の詳細や、「年末高」の性質など4つの変数を考慮した銘柄スクリーニング参考ポートフォリオなども開示しています。

日本株投資戦略(11月号) – 2022年の日本株は前半堅調、後半足踏み

業績ピークアウトをいったん織り込むのは22年後半

日経平均は6月末32,000円、12月末31,000円を予想

 日本株インデックスの22年6月末/12月末予測値を、TOPIX:2,200/2,050、日経平均株価:32,000円/31,000円とした。2022年の日本株は前半堅調、後半には足踏みすることを予想している。企業業績については、トップダウンの観点からTOPIX-EPSを21年度:115.8(前年比+27.9%)、22年度:139.5(同+20.4%)、23年度:145.0(同+4.0%)と試算する。

景気回復と金融緩和の組み合わせで21年の株式市場は上昇トレンド

 2021年のグローバル株式市場は、総じて力強い上昇トレンドを維持した。コロナ禍からの景気回復が続く一方、日・米・欧の3大中銀は政策の正常化を急がない姿勢を保っている。この組み合わせにより、企業業績は大幅増益、バリュエーションも底堅く推移、というのが全体像となった。端的に言えば、世界経済の回復が前半戦だったことが株高継続の大きな背景だった。

景気回復は後半戦に、全体観としては2022年の日本株にはやや慎重

 これに対し、2022年は回復後半戦に入っていく。象徴的なのは2021年10月時点で米失業率が4.6%まで低下していることだろう。1993年以降の年間TOPIXリターンを見ると、米失業率が高い局面から低い局面にシフトするほど、年間リターンが下がるという傾向が確認できる。グローバル景気サイクルの観点から判定すれば、2022年の日本株インデックスにはやや慎重というのが全体観だ。企業業績についても、2022年は大幅増益局面の終盤となろう。

年前半は業績ピークアウトを織り込むには早く、株価は堅調に推移しよう

 2022年前半の日本株は堅調に推移することを見込む。2000年以降、TOPIX-EPS(12カ月累積ベース)と指数のピークアウトの時間差を振り返ると、3~15カ月となっており、中位3例では7~10カ月である。仮に22年度末(23年1~3月期)を業績水準のピークとすると、株価のピークは22年4~6月期という大まかなイメージになる。22年前半は、業績ピークアウトを織り込むには早いと考える。上値は日経平均株価で34,000円まで見ている。

年後半には内外リスク要因が集中、株価は足踏みへ

 年後半には株価の足踏みを予想する。業績のピークアウトが織り込まれる可能性に加えて、以下の内外のリスク要因が集中する。すなわち、(1)米国では中間選挙後の「ねじれ」による政治停滞リスク、(2)国内では税制改正で金融所得課税を含む増税が検討される可能性、(3)黒田日銀総裁の任期満了(23年4月)が近づき、日銀の政策継続性への不透明感が高まる、ことである。セクター判断については、外需・景気敏感優位から内需・ディフェンシブ優位への一時的なシフトが22年半ばに訪れるとみる。

 本レポートではこの他、3章「需給動向:海外勢が買い越しやすい季節に」、4章に「クオンツ戦略:「V字回復ではない高成長株」に妙味」を取り上げた。

※本編はプレミアムプラン限定で公開しています。

日本株投資戦略(11月号) – 2022年の日本株は前半堅調、後半足踏み

目次
1.市場展望: 3ヵ月戦略と2022年見通し
(1)海外投資家の「敬遠」はふたたび解消へ
(2)2022年の日本株は前半堅調、後半足踏み
(3)インバウンド需要持ち直しの注目点
2.参考ポートフォリオ
3.需給動向:海外勢が買い越しやすい季節に
(1)海外投資家は12月第2週まで買い越しやすい傾向
(2)投資部門別売買動向
4.クオンツ戦略:「V字回復ではない高成長株」に妙味
5.データ集

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