ドル円相場は17日に一時114円97銭まで円安ドル高が進み、17年3月以来の高値を付けた。115円突破に失敗したこともあり、先週後半以降は円安の勢いは鈍っているが、依然として円安ドル高トレンドは継続していよう。当社は21年末見通しを115円(旧:113円)へと上方修正しており、年末に向けて一段の円安ドル高リスクを見込んでいる。

 今週は米国がサンクスギビングを迎えることもあり、投資家のアクティビティはやや低下しそうだ。持ち高調整に伴うドル安の可能性もあり得るが、今週中にはFRB議長人事の公表が予想され、注目度が高い。オンライン予想サイト(PredictIt)では依然としてパウエル議長再任がメインシナリオとなっており、ブレイナード理事の議長昇格があればドル安での反応が予想される。もっとも、インフレ率が上振れする中、FRBは全体としてタカ派化する流れにあり、ブレイナード理事の議長昇格の場合でもドル安は短命に終わりそうだ。23日(火)総合PMIや24日(水)PCEデフレータ-といった経済指標に加え、24日(水)FOMC議事録なども注目される。

 日本では主要生保の21年度上期決算が出揃う見込みだ。今年度の生保の外債投資は勢いが鈍く、運用計画でも為替リスクを伴った外債投資への意欲は限定的に留まる。とはいえ、今後の外貨投資余地を占う上で、ヘッジ比率などに注目しておきたい。

※2021年11月22日発行「国際金融為替ウィークリー – ドル円115円超えを予想」より一部抜粋
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ご投資にあたっての注意点