海外市場(12/9)の相場動向

米主要指数は4営業日ぶり下落

 9日の米国株式市場で、NYダウは前日比-0.06ドルの35,754.69ドルとほぼ横ばいとなりました。S&P500指数は前日比-0.71%、ナスダック総合指数は同-1.70%と主要指数は4営業日ぶりに下落しました。この日は、前日までの3営業日でNYダウが1,170ドル程上昇となっていたことなどから米主要指数は上値が重く、景気敏感株やテクノロジーセクターの下落が目立ちました。一方で、ヘルスケアや生活必需品などのディフェンシブセクターは堅調に推移しました。オミクロン型変異株の感染拡大などから、英政府が8日にイングランドで行動規制を強化すると発表したことから、欧州などで同様の規制が広がるとの懸念に加え、米国内でも新型コロナウイルスの新規感染者が足元で増加基調となっていることなども株式相場の重石となりました。

本日の相場動向:本日の注目点は米11月消費者物価

日経平均先物CME終値は9日の日経平均株価の終値を下回る

 日経平均先物CME終値は28,625円となりました。日経平均株価の前営業日終値(28,725円)を下回る水準です。9日の米国株式市場で、半導体関連やテクノロジーセクターの下落が目立ったことから、東京市場でもこれらのセクターの値動きには注目が集まります。

前日引け後に発表された11月工作機械受注(速報)

 9日の東京市場の引け後に11月の工作機械受注(速報)が発表されました。国内は前月比ほぼ横ばいで、10月と同様の状況で、堅調な回復過程と見られます。一方、海外は前月比-3%(同33億円の減少)に留まりました。11月受注を踏まえ、世界受注の先行きの見通しを維持できると野村では考えています。地域別のデータは23日の確報値で発表されますが、最近では中国の経済指標では景気の下げ止まりや安定化を示す指標が増えており、機械需要について現在下げ止まり、来春から持ち直すと野村では予想しています。今後の需要増加は日本のFA銘柄や機械セクターの業績の支えとなると見られます。本日の東京市場では工作機械受注の結果を受けてこれらのセクターの動向に注目が集まります。

本日の注目点は米11月消費者物価

 来週のFOMCを控える中、米国では、本日10日に11月消費者物価指数、12月ミシガン大学消費者マインド速報値が発表されます。 11月消費者物価指数で、市場ではコアインフレ率の前年比+4.9%への加速が予想されていますが、野村では中古自動車価格の押し上げにより、同+5.1%への上振れリスクの可能性もあるとしています。しかし、パウエルFRB議長が物価高は「一時的」とする従来の見方を修正したことや、テーパリング(資産買入の段階的縮小)加速の可能性を示唆したことを受けて、12月FOMCでのテーパリング加速決定の可能性もあります。さらに、よほどの下振れがなければ相場の反応は限定されるとの見方もありますが、発表結果には注目が集まります。

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