米国市場(12/14)の動向

米主要3指数は揃って下落

 14日の米国株式市場で、NYダウは前日比-106.77ドル(-0.29%)の35,544.18ドル、S&P500指数は同-0.74%、ナスダック総合指数は同-1.13%と主要3指数は揃って下落しました。この日発表された11月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率が市場予想を上回ったことで、インフレ圧力の強まりへの懸念が市場の重石となりました。その他、中国浙江省で新型コロナ感染拡大を抑える為、当局が新規制を導入し多くの製造業が工場稼働を停止したとの報道で、サプライチェーン問題悪化への警戒感が広がったことも嫌気されました。

相場の注目点

テーパリング加速決定は既定路線?

 日本時間の明日早朝に、FOMCの結果が発表されます。野村證券では、FOMCはインフレ抑制のために、テーパリングのペースを2倍に速めると発表し、来年1月半ばから実施、現在のペースよりも3ヶ月早い2022年3月半ばに資産購入を終了すると予想しています。また、FOMC参加者の政策金利予想(ドット・チャート)では、参加者予想中央値が織り込む2022年の利上げ回数が従来の0.5回から2回に引き上げられるとみています。ただし、今回のFOMCにおけるテーパリング加速決定は既定路線になっている可能性があり、想定以上のタカ派化とならなければ金融市場の反応は限定的だと考えられます。

トヨタがEVの世界販売目標を引き上げ

 トヨタ自動車(7203)は、14日午後にEV(電気自動車)の戦略説明会を開催しました。同説明会では、2030年時点のバッテリーEVの世界販売目標を年350万台とすることが発表されました。今年5月に策定された従来計画は200万台(FCV:燃料電池車含む)であり、大幅引き上げとなりました。14日のトヨタの株価は説明会への期待感などもあって5営業日ぶりに上昇し、上昇率も2%を超えました。EV戦略の強化を受けて、本日の株価反応が注目されます。

中国景気動向にも注意

 本日、中国は主要経済指標(小売売上、鉱工業生産、固定資産投資)の発表を控えています。中国景気について、野村證券のアジア経済チームは引き続き、中国の不動産市場に下振れリスクがあるとみています。一方、11月の製造業PMI(政府版)が8ヶ月ぶりに前月比プラスを記録するなど足元で前向きな変化もあります。日本株にとって中国景気動向は重要な要素の一つであり、主要経済指標の結果が注目されます。

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