海外市場(12/15)の相場動向

FOMC結果発表を受けて株価は上昇

 12月15日のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、「テーパリング(資産買入額の縮小)ペースの倍速化」を決定したことに加え、2022年~2024年各年の利上げ想定回数が3回-3回-2回(従来は0.5回-3回-3回)まで引き上げられました。金融政策への不透明感が払拭されたことから、NYダウは前日比+1.07%、S&P500指数は同+1.63%、ナスダック総合指数は同+2.15%と主要3指数は揃って3営業日ぶりに上昇しました。

本日の相場動向・注目点

ハイテク/グロース株が上昇

 15日の米国株式市場は、ハイテク/グロース株を中心に上昇しています。政策金利見通しの引き上げについては、タカ派的とみることもできますが、FRBが早期にインフレへの警戒を示したことで、引き締めが後手に回るのではという懸念が後退したとも考えられます。長期金利(米国10年債利回り)は1.4%台と大きな上昇はみられず、この点も金利上昇に弱いとされるグロース株には追い風となりました。この流れが本日の日本市場でも続くか注目が集まります。

今後の日本株はバリュー優位か

 今後の日本株を見る上で世界を俯瞰してみると、中国政府が景気テコ入れ姿勢を明確にし、すでに一部の経済指標に効果が表れていることは一つの追い風とみられます。野村證券の池田チーフ・エクイティ・ストラテジストは「中国敏感、円安メリット、(政策金利引き上げが近づくにつれ実質金利上昇が見込まれることから)バリューを基準にすれば、推奨セクターは自動車、機械、が筆頭となる。素材業種は、中国の生産持ち直しにより競争関係が強まる側面に注意したい。電機・精密は米国の年末商戦が当初期待を下回っている点がややネガティブだ。」としています。

各国・地域でマークイットPMI速報値が発表

 本日の経済指標では、日本、米国、欧州などの主要国で発表される12月マークイットPMI速報値が挙げられ、足元の景況感を確認する上で注目が集まります。また欧州では、欧州中央銀行(ECB)、英中央銀行(BoE)の金融政策が公表されます。オミクロン株の感染拡大への警戒が強まる中で各国中銀の対応が注目されます。ECBはPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)を2022年3月で終了し、APP(資産購入プログラム)を規模と期間を限定するかたちで一時的に拡大する可能性があります。一方、BoEは、市場では12月の利上げ見送り、来年2月の利上げが予想されています。

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