海外市場(12/17)の相場動向

新型コロナウイルスの感染再拡大が株式相場の重石

 17日の米国株式市場で、NYダウは前日比-532.20ドル(同-1.48%)の35,365.44ドルと2営業日続落となりました。S&P500指数は前日比-1.02%、ナスダック総合指数は同-0.07%と主要指数は下落しました。この日は、オミクロン株などの新型コロナウイルス感染再拡大への懸念が株式市場への重石となりました。フランスは英国からの入国を原則禁止すると発表しました。また米国では新規感染者数が1ヶ月前に比べて増加傾向にあり、ニューヨーク市では複数の劇場の休演が伝わっています。前営業日にナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数の下落幅が大きかったことなどから、この日のテクノロジー株は、寄り付き後は下げ幅を縮める展開となりました。

本日の相場動向や今後の注目点

日経平均先物CME終値は17日の日経平均株価の終値を下回る

 日経平均先物CME終値は28,425円となりました。日経平均株価の12~2月の配当落ち約52円を考慮した場合、実質的なCME終値は28,477円と試算され、日経平均株価の前営業日終値(28,545円)をやや下回る水準です。17日の米国株式市場では、新型コロナウイルス感染再拡大への懸念が株式市場への重石となりました。日本の新規感染者数は他国に比べ少ない状況とはなっていますが、海外の消費動向や製造業のサプライチェーンなどが日本の経済活動へ影響を与える可能性もあるため、引き続き新型コロナウイルスの感染状況には注目が集まります。

週末にクリスマス休暇を控え、取引が閑散となる傾向もある

 今週末24日に欧米市場はクリスマス休暇入りします。いち早く休暇に向かう投資家も多くなる中で、例年クリスマス休暇後半にかけて取引が閑散となる傾向があります。ホリデーシーズン中も幅広い国・地域で外出制限が課された昨年と異なり、今年は年末年始にかけて飲食や観光などサービス消費の増加が期待されます。一方、新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の感染拡大を受け、各国がワクチン接種の加速など感染予防策の強化に追われる中、感染拡大リスクや景気への影響を巡る不透明感は相場の重石となる可能性もあります。

日銀は金融政策正常化に動き出す可能性は低い

 足もとのドル円相場は1ドル=113円70銭台と、前週末日の15:00時点の113円50銭台からやや円安です。前週金曜日に黒田総裁は日銀金融政策決定会合後の記者会見で金融政策正常化に動き出す可能性は低いことを強調しました。円安に対しても、これまでのところ日本経済にプラスに作用しているとの姿勢を維持しています。来年に向け、特に年前半には米日の金融政策の乖離が目立つ展開となり、ドル円相場の圧力が強まる可能性もあると野村では見ています。日本株への影響を見るうえでも、引き続き為替市場の動向には注目が集まります。

中国では全人代常務委員会が開かれる(12月20日~12月24日)

 今週は中国では全人代常務委員会が開かれる予定です。また、国会に相当する全人代が来年3月に終了し、秋には共産党全国大会が開催される予定です。習近平体制が続投するかどうかに注目が集まりますが、続投を確実なものにするため、格差是正に向けた一部セクターに対する当局の締め付けや米国等への対外強硬姿勢が続く可能性もあります。

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