海外市場(12/22)の相場動向

インフレ懸念も、消費者の見通しは明るい

 22日の米国株式市場で、NYダウは前日比+0.73%、S&P500指数は同+1.01%、ナスダック総合指数は同+1.17%と主要3指数は揃って上昇しました。この日は、米国12月コンファレンスボードの消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことが株式市場に好感されました。物価上昇や新型コロナウイルスへの懸念が強まる中でも、雇用と経済に対する見通しが改善しています。

本日の相場動向・注目点

ファイザー製コロナ経口薬、空運株を支えるか

 米欧で新型コロナウイルスの新規感染者数は増加していますが、米国時間22日午後にはFDAがファイザーが開発した新型コロナの経口薬の緊急使用を承認したと発表し、市場に好感されました。22日の東京市場では、日本航空やANAホールディングスなどのリオープン銘柄の一角が上昇しており、この流れが継続するか注目されます。足元で、オミクロン株の動向には注意が必要ですが、人々が移動に対する安心感を持つようになれば、空運など旅行関連産業の回復にも関心が集まります。

百貨店、「リベンジ消費」の動向は

 本日14:30に11月全国百貨店売上高が発表されます。10月の同指標は3ヶ月ぶりに前年同月比増加に転じ、12月1日に発表された大手百貨店の11月売上高速報でも各社の業績が回復基調にあることが示唆されました。明日24日には高島屋、週明け28日(火)にはJ.フロントリテイリングと個別の決算発表が予定されており、決算前のチェックポイントとしても注目が集まります。なお野村では、足元では衣料品・化粧品を中心に幅広い商品で販売回復は継続するとみていますが、同業界の中期的な成長確度は依然として高まっていないと考えています。 

米国はクリスマス休暇目前、重要指標が今夜に集中

 今夜米国では、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ指標として重視するコア個人消費支出デフレーターが発表され、今後の金融政策を見通す上で注目が集まります。なお野村では、オミクロン株の感染拡大が来年以降のインフレ要因になりうると考えています。工場や港湾で感染対策が行われることで生産・物流が停滞し、自動車などの財価格を中心にインフレが長期化する可能性に注意が必要でしょう。そのほか、11月の耐久財受注や新築住宅販売件数も発表が予定され、クリスマス休暇で米国市場が休場(24日)となる直前の本日も、各指標が注視されます。

 

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