海外市場(1/5)の相場動向

ナスダック総合指数は3%超下落

 NYダウは前日比-1.06%、S&P500指数は同-1.93%、ナスダック総合指数は同-3.34%と主要3指数は揃って下落しました。ナスダック総合指数の下げ幅は2020年9月以来の大きさとなりました。この日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録で速やかな金融政策正常化の見通しが示唆され長期金利が一時1.7%台をつけたことが株式市場の重荷となりました。

12月FOMC議事要旨のポイント

 労働市場は「非常にタイト」で、高インフレへの対応に向け、予想よりも早期の利上げに加え、保有資産全体の縮小が必要になる可能性があるという見解が示されました。具体的には、「ほとんどすべての参加者が、最初の利上げ後のある時点でバランスシートの縮小を始めるのが適切であることに同意」したとされ、そのペースについても「前回(2017年)よりも速くなる可能性が高い」としています。

 なお、野村のエコノミストは金融政策について2022年3月に利上げを開始し、年内に4回の利上げを実施すると見ています。また、7月にはバランスシートの正常化に着手し、保有証券の再投資停止などを発表すると予想しています。

相場の注目点

雇用指標は大幅改善を示唆

 米国株式市場の寄り前に発表された12月のADP全米雇用レポートで、政府部門を除く非農業部門の雇用者数は前月差+80.7万人と市場予想の+41.0万人を大きく上回りました。特に、サービス部門の雇用者数は66万9000人増と、昨年6月以来の大幅な伸びとなり、娯楽・ホスピタリティーの伸びが目立っています。オミクロン株の感染拡大がある中でも旺盛な労働需要が示唆されており、7日(金)に発表控える12月雇用統計でも、こうした回復が見られるかに注目が集まります。

CES」開催、ソニーやパナソニックが発表

  世界最大のテクノロジー見本市「CES」が米ラスベガスで開催されています。1月5日の東京株式市場では、EV(電気自動車)事業の新会社設立を発表したソニーグループは前日比+3.67%、 環境・メタバース重視の展示を公開したパナソニックは同+1.32%と上昇しました。この流れが継続するかに注目が集まります。

 なお、同展示会を主催する全米民生技術協会 (CTA)は、2022年の米国民生テクノロジーの市場を前年比2.8%増と発表しており、2021年の市場成長率9.6%と比べると鈍化を示唆しています。野村證券の岡崎アナリストは巣ごもり需要の一巡を考えれば市場全体の減速には違和感なく、同分野では「メタバース」「健康・フィットネス」などのテーマに注目したいとしています。

日本では「まん延防止措置」検討中

 日本では、一部の地域では、「まん延防止等重点措置」などの対策が検討されており、今後、移動や経済活動が再び制限されれば、景気の下振れリスクなどが高まるため、引き続き新型コロナの感染状況には注意が必要となります。内閣府が5日に発表した2021年12月の消費動向調査によると、消費者心理をあらわす消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)は2021年11月より0.1ポイント低い39.1でした。指数は4ヶ月ぶりに悪化しましたが、新型コロナの変異株であるオミクロン株への懸念などが指数を押し下げた可能性もあります。

FINTOS!編集部オリジナル記事

・前日の特集:【2022注目イベント】「参議院選」は岸田政権長期化の分岐点?

・前日の特集:【特集】岸田政権 2022年産業政策の注目テーマと関連銘柄は?

・前日の特集:【新春特集】個人投資家が選んだ「2022年の注目企業」ベスト50銘柄

・前日の特集:【新春特集】日清製粉/山パン/アサヒHD/味の素(野村アナリストの注目銘柄)

・前日の注目レポート:FINTOS!編集部が選んだ本日の野村レポート(1/5)

・今後の配信スケジュール:【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事の配信スケジュール

ご投資にあたっての注意点