米国市場(1/12)の動向

米主要3指数小幅高で続伸、インフレ加速は想定内も3月利上げ観測強まる

 11日の米国株式市場で、NYダウは前日比+0.10%、S&P500指数は同+0.28%、ナスダック総合指数は同+0.23%と、主要3指数は小幅続伸となりました。12月の米消費者物価が発表され、前年同月比+7.0%と市場予想に一致しました。高い物価上昇率が続いていることでFRB(米連邦準備制度理事会)による3月の利上げ期待は高まりましたが、機動的な金融政策の対応は市場の安定に寄与するとの見方も広がり、長期金利上昇は小幅に留まりました。

相場の注目点

拡がる新型コロナ感染拡大の影響

 中国の新型コロナの感染拡大を受け、ロームは天津工場の稼働を1月9日から一時的に停止し、稼働再開時期は未定と発表しました。中国では年末にも西安で半導体メモリーメーカーが工場の稼働停止を発表しており、中国の「ゼロコロナ政策」によるサプライチェーンへの影響が懸念されます。

 また、東京都の小池知事は12日午前に経済団体と意見交換を行い、オミクロン株の急速な拡大に強い危機感を示したうえで、1割を超える従業員が欠勤した場合を想定した事業継続計画の点検や、テレワークの強化を求めました。また、全国知事会の会合において、オミクロン株の疑いが最新の分析で9割を超えていると述べた上で、知事の要請に応じて緊急事態宣言などを発出すべきだとの考えを示しました。

小売業界、「リオープン」の動向は

 足元では小売各社の決算や、12月の月次販売動向の発表が相次いでいます。リオープン(経済活動活発化)の動きはコンビニ需要に見えてきている一方、食品スーパーは引き続き高水準と「おうちごはん」のトレンドが続いていると見られ、その影響はまちまちです。昨日引け後にもイオンが決算(2021年3月-11月期)を発表し、主力の総合スーパー部門はコロナ前(2020年2月期第3四半期)の売上高を下回った一方で、スーパーマーケット部門やディスカウントストア部門はコロナ前水準を上回りました。

 今後、新型コロナの感染動向には留意が必要と考えられるほか、世界的な物価上昇やサプライチェーンの混乱、円安ドル高の影響が利益を圧迫する可能性もあり、これらの影響を乗り越えられるかに注目が集まります。本日、7&iホールディングス、ファーストリテイリングが決算発表を予定しています。

 その他、本日は15:00に12月工作機械受注が発表されるほか、海外では半導体の受託生産で世界トップシェアの台湾半導体大手、TSMCの決算発表が予定されています。

FINTOS!編集部オリジナル記事

・レポート紹介記事:FINTOS!編集部が選んだ本日の野村レポート(1/12)

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