米国市場(1/13)の動向

米主要3指数は揃って下落

 13日の米国株式市場で、NYダウは前日比-0.48%、S&P500指数は同-1.42%、ナスダック総合指数は同-2.51%と、主要3指数は下落しました。この日は、FRB高官の発言を受け、早期の利上げ開始やバランスシート縮小への懸念が高まり、成長セクターを中心に軟調な展開となりました。

相場の注目点

日経平均CME先物は前営業日の日経平均の終値を下回る

 日経平均CME先物は28,275円となりました。日経平均株価の前営業日終値(28,489円)を下回る水準です。本日の日本市場は米国市場の流れを引き継ぎ、情報通信や電機・精密など、高成長なセクターが相対的に軟調な展開となる可能性もあります。

ファーストリテイリングの決算内容は中国を除く海外では堅調

 13日の東京市場の引け後には、ファーストリテイリングの決算が発表されました。2021年9-11月期の売上高、営業利益は市場予想を上回ったものの、2022.8期の会社計画は据え置かれました。 2021年9-11月期では、国内ユニクロ事業で前年の売上のハードルの高さや気温影響もあり販売面が厳しく、前年同期比で減収減益となった一方で、海外ユニクロ事業では、中国を除く海外の貢献もあり大幅な増益となりました。12月分の国内既存店の月次売上高では5ヶ月連続で前年同月比を下回る結果となったことなどから当社の株価は足元で軟調に推移しており、さらに2022年1月13日には昨年来安値を付けています。市場予想を上回る決算を受け、本日は、日経平均株価への寄与度が高い当社株の動向が注目されます。

TSMCの2022年の設備投資額は増額

 13日、半導体受託生産で世界トップシェアのTSMCが2021年10-12月期の決算を発表しました。スマホや高性能PC向けで半導体需要が増加したことなどから、同社の売上高、純利益の実績が共に四半期ベースで過去最高となり、市場予想を上回りました。また、同社は2022年の設備投資額を少なくとも400~440億米ドルとし、2021年実績の300億米ドルから大幅に引き上げました。決算を受け、13日の米国株式市場では同社の株価は前日比で5%超上昇しました。一部報道では同社の2022年の設備投資額の増額が観測されていましたが、同社と関係が深く、設備投資の恩恵を受ける可能性がある、レーザーテック、SCREENホールディングス、東京エレクトロンなどの株価への影響に注目が集まります。

中国で12月貿易統計が発表

 本日は12月の中国貿易統計が発表されます。11月分では輸出が市場予想を上回り、日本株を押し上げる要因となりました。中国景気の回復をけん引してきた輸出の伸びは12月分は鈍化が予想されています。また中国では現在、2月に北京オリンピックが控える中、西安市のロックダウンなど、コロナ対策の強化を図っています。中国当局は「ゼロ・コロナ戦略」を重視しているため経済成長のために時間や資源を割くことができなくなっている面もあり、コロナ対策の経済への影響に今後注意が必要です。

米国の消費動向に関する統計が発表予定

 米国で、2021年12月の小売売上高や2022年1月のミシガン大学消費者マインド指数など、消費動向に関する統計の発表が予定されています。市場では、12月の小売売上高が前月比で小幅に減少に転じると予想されています。また、インフレが市場の焦点となっている中、1月の消費者マインド指数と同時に発表される消費者の期待インフレ率にも注目が集まります。
 他方、JPモルガン・チェースやシティグループ、ウェルズ・ファーゴなどの決算発表が予定されています。米大手金融機関の決算発表を皮切りに今後米国で決算発表が本格化してきます。

FINTOS!編集部オリジナル記事

・レポート紹介記事:FINTOS!編集部が選んだ本日の野村レポート(1/13)

・今後の配信スケジュール:【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事の配信スケジュール

ご投資にあたっての注意点