1月FOMCを控え、為替を含む金融市場は神経質な展開となっている。米10年債利回りは19日に一時1.9%を試すまで上昇した後で低下に転じ、世界株価も米ハイテク株を中心に調整色を強めた。為替市場では先週前半の米金利上昇の割にはドル高での反応が鈍かった。ほぼ無風に終わった日銀会合をこなして一時115円台回復を試したドル円も、足元では再び114円割れまで調整している。

 26日(水)FOMCではテーパリング(量的緩和の縮小)の一段の加速(2月半ばの終了)決定を含め、タカ派化が予想される。バランスシート縮小(量的縮小、QT)についても、工程表となる「政策正常化の原則と計画(PNPP)」の最新版が発表され、QTに向けた詳細が明らかになろう。3月利上げ開始に向けたサインも発出されそうだが、一部で懸念される3月50bp利上げを示唆するようなコミュニケーションの可能性は低い。先週見られた株価の調整やインフレ期待の低下は、FRBの引締め姿勢の浸透を反映している面もあり、50bpでの利上げ開始といったショック療法の必要性は低下している。一方、パウエル議長は実際の利上げペースはデータ次第との見方を示す公算が大きく、結果的に毎会合での利上げや22年中5回以上の利上げといった思惑は完全には払拭されないだろう。

 ドル円相場は米金利に対する反応が低下している一方、株安に連動して下げを加速させており、FOMCを経てリスク心理が安定するかが注目される。市場では既にFRBタカ派化への警戒は高まっており、3月50bp利上げの可能性の思惑が低下すれば、ドル円相場は安定しそうだ。また、米国では景気サプライズ指数が低下に転じていることがリスク心理悪化を助長させている面もある。24日(月)PMIや26日(水)消費者信頼感指数、27日(木)GDP、28日(金)個人消費支出といった経済指標にも注意が必要だ。

 日本では26日(水)日銀主な意見において、ほぼ無風で終わった1月会合でインフレ上振れリスクや正常化の必要性について、実際にどういった議論が行われたかを確認したい。

※2022年1月24日発行「国際金融為替ウィークリー」より一部抜粋(レポート本文はプレミアムプラン限定)

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