日経平均株価、一時26,000円割れ直前まで下落

 27日の日経平均株価は、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果公表を経て米国金融政策への警戒感が高まり、前日比-841.03円安(-3.11%)の26,170.30円と大幅に続落しました。日経平均は昨年来の安値を更新し、終値で26,000円台を付けたのは2020年12月以来となりました。

株価は世界的に下落

 26日の米国市場では、NYダウが一時500ドルを超える上昇となる場面も見られましたが、FOMCの結果が公表され、パウエル議長の記者会見が始まると急速に失速し、終値ではマイナス圏に沈みました。米10年国債利回りも一時1.8%台後半まで上昇しました。株安はアジア市場にも波及しており、中国や香港、韓国、インド株式市場などが軒並み大幅安となっています。

FRB(米連邦準備理事会)タカ派化への警戒残る

 26日に公表されたFOMCの声明文では、利上げが近く適切になるとされました。パウエル議長も「3月会合での利上げを意識している」と明言し、3月利上げの可能性が示唆されました。テーパリング(資産買入れの段階的縮小)は、予定通り3月初めに終了するとされた他、QT(量的引き締め)については、バランスシートの正常化の進め方をまとめた原則が公表されましたが、開始時期などの詳細には曖昧さが残されました。パウエル議長は記者会見で、1回当たり0.50%ポイントの利上げの可能性を否定しなかった他、四半期(3、6、9、12月)ごとだけでなく、年内の残り7回すべてのFOMCで利上げの可能性があるのかという質問にも明確な回答をしませんでした。

 今回のFOMCについて、野村證券の後藤チーフ為替ストラテジストは、「パウエル議長は利上げやQTのペースに柔軟性を持たせており、今後の一段のタカ派化への警戒が残された」と解説しています。

 また、野村證券はFOMCの結果を受けて、2022年の米国政策金利見通しを変更しています。3月のFOMCで0.50%ポイントの利上げが実施され、その後、5月、6月、7月に各0.25%ポイントで3回連続の利上げになると予想します。

今後の株式市場の展望は?

 FRBによる利上げ開始時期の前倒しや緩和縮小ペースの加速が織り込まれる過程で、株式市場のボラティリティー(変動率)の高い展開が続いてきましたが、当面はこの状態が続くと見られます。しかし、FRBの思惑通りインフレが徐々に落ち着き、金融政策が景気を過度に引き締めず、景気拡大に伴う緩やかな金利上昇となれば、業績相場の下、株価は業績見通しに沿った動きになると野村證券はみています。

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