米国市場の動向

米主要3指数は揃って下落

 8日の米国株式市場で、NYダウは前営業日比-0.81%、S&P500指数は同-1.07%、ナスダック総合指数は同-0.73%と主要3指数は3営業日ぶりに下落しました。欧州の金融大手のクレディ・スイスが2022年4-6月期は赤字になる見通しを発表したことに加え、インテルも7日に経済の停滞により、需要が損なわれ、2022年4-6月期の業績が悪化する可能性を示しました。この日は、米国企業見通しに対する懸念が高まり株式市場の重石となりました。

相場の注目点

日経平均先物CMEは日経平均の前営業日終値を下回る

 日経平均先物CME終値は28,150円となりました。日経平均株価の前営業日終値(28,234円)を下回る水準です。WTI原油先物価格が一時123ドルを上回り3ヶ月ぶりの高値を付けたことなどから、エネルギー関連株は相対的に堅調な展開が予想されます。8日の米国市場では、半導体大手のインテルの株価が業績悪化への懸念から、前日比-5.28%と大きく下げたことなどから、主に半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数が同-2.38%と下落しました。国内株式市場でも半導体関連銘柄の動向には注意が必要です。
 足もとのドル円相場は1ドル=134円30銭台と、前日の15:00時点の133円20銭台から円安が進んでいます。NY外国為替市場では、一時134円半ばまで円安が進行し約20年ぶりの水準となりました。株式市場にとっては、前日に引き続き輸出関連株の追い風となるか注目されます。

5月工作機械受注が発表予定

 本日の東京市場の引け後に5月工作機械受注(速報)が発表されます。企業における将来の増産や効率化に向けた設備投資意欲が強まる中、設備投資の先行指標である工作機械受注の結果に注目が集まります。

ECB金融政策理事会の結果が発表予定 

 9日に、ECB(欧州中央銀行)金融政策理事会の結果が発表されます。資産購入プログラム(APP)の終了決定が市場では予想されています。野村證券では、ECBがインフレへの警戒感から、利上げを7月に前倒しすると予想しています。また、7月以降の利上げ幅に関する議論に注目が集まっています。タカ派メンバーは0.5%ポイントの利上げ幅を主張している中、仮にラガルド総裁がハト派姿勢を示せば、海外金利低下が為替市場で円高につながる可能性もあります。ラガルドECB総裁の記者会見では、新たな経済見通しに基づく金融政策の具体的な運営方針が明らかにされる見通しです。

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