①日本:小売企業の決算を探る上で消費関連の統計に注目
今週の振り返り
インフレ加速への警戒感が再燃し米国株が急落する中、日経平均株価は、軟調な展開となりました。
来週の展望
日本では、22日に5月全国スーパー売上高、23日に5月全国百貨店売上高など、消費関連の統計が発表されます。小売各社の5月月次売上高は、消費者の外出機会の増加を背景に堅調でした。翌週から本格化する小売企業の決算発表を前に、消費関連の統計に注目です。
また、23日には主要国・地域の6月製造業PMI(速報値)が発表されます。製造業の景況感指数に改善の動きがみられれば、株式市場の下支え要因になると期待されます。
(投資情報部 澤田 麻希)
②米国:引き続きインフレの状況には留意
今週の振り返り
FOMC直後は反発も、急激な金融引き締めによる景気後退懸念で、翌日に下落しました。
来週の展望
6月FOMCでの0.75%ポイントの利上げ自体は織り込み済みだった模様です。しかし、インフレの高止まりや高進があれば、インフレ抑制のためにさらなる金融引き締めを迫られ、このことが景気後退につながるというリスクが、株式市場では意識されている模様です。
インフレの状況を確認するうえでは、ミシガン大学による6月消費者期待インフレ率調査確報値(24日)や、翌週の6月コアPCEデフレーター(30日)などが注目されます。
FRBのバランスシート縮小の影響については引き続き注意してみていきたいと考えます。
(投資情報部 村山 誠)
③新興国:インドネシア中銀は金融政策正常化を早めるか
今週の振り返り
週前半は米5月消費者物価上振れを受け、利上げ期待が高まり、ドル高・新興国通貨安となりましたが、6月FOMCは市場の期待ほどタカ派的とは受け止められず、ドルは調整、新興国通貨は週間では底堅く推移しました。
来週の展望
インドネシアで23日に金融政策会合が開かれます。前回会合で中銀は、消費者物価上昇率(CPI)が政策金利を上回れば、政策金利の調整を通じて対応すると表明しました。5月CPIは4月から加速し、中銀のインフレ目標上限(+4%)に接近しています。野村證券では7月の利上げ開始を予想しますが、中銀の政策金利やインフレの見通しに変化があるか注目されます。
(投資情報部 岩崎 晴弥)