6月FOMC及び日銀会合で金融政策の乖離が大きいことが改めて意識され、ドル円相場の上昇圧力が維持されている。ドル円は22日には一時136円70銭台と高値を更新した。一方、米経済指標は弱いものが多く、景気後退のリスクが一段と意識され始めている。原油や銅といった商品市況にも下押し圧力が強まっており、ドル円の重石になりつつある。今週は月末のリバランスフローが円売りドル買いに傾くとの見方も多く、引き続き振れの大きい展開が予想されるが、米指標の弱さが続けば、徐々にドル円の上値を試す機運が弱まる可能性があろう。

 米国では30日(木)米個人消費支出(PCE)デフレータ1日(金)ISM製造業指数が予定される。5月コアPCEデフレータは前年比では低下が続く見込みだが、前月比では+0.5%へと再加速することが市場で予想されており、インフレへの警戒は維持されそうだ。PMIや地区連銀公表データを受け、製造業景況感の減速期待は既に高まっていると見られるが、一段と景気後退懸念を強めるものとなるかが注目される。ECBフォーラムでは29日(水)パウエル議長パネルディスカッション参加が予定されるが、先週の議会証言から特に姿勢の変化はないだろう。

 日本銀行への政策修正期待が根強い中、1日(金)日銀短観が注目される。大企業では製造業・非製造業ともに先行きの景況感改善が予想されるが、より注目を集めそうなのが価格関連データだ。3月調査では企業の物価見通しは1年後で+1.8%、5年後で+1.6%に加速していた。3月以降の円安や新年度入り後の値上げの動きなどを反映し、一段のインフレ期待の上昇が確認されるか注目される1日(金)6月東京CPIも重要だ。参院選投開票日(10日)に向けて、主要メディアの世論調査や情勢調査にも注目したい。1日(金)GPIF運用状況ではGPIFが小まめなリバランスに終始し、各資産クラスのシェアが25%近辺で維持されたことが確認されるに留まるだろう。

※2022年6月27日発行「国際金融為替ウィークリー」より一部抜粋(レポート本文はプレミアムプラン限定)

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