①日本:上値の重い中、小売企業や安川電機の決算発表に注目

今週の振り返り

 日経平均株価は、約2週間ぶりに27,000円台を回復する場面もありましたが、世界的な景気減速への懸念が高まり、上値の重い展開となりました。

来週の展望

 日本では、小売企業の決算発表が本格化します。小売各社の月次売上高は、人流増加に伴い、3月以降回復傾向にあります。決算では、原材料価格高騰の影響が懸念される中、売上高に加えて、営業利益の回復が確認されるか注目です。8日には安川電機が決算を発表します。7月下旬から始まる製造業の決算を占う上でも重要です。

 10日は参議院選挙の投票日です。長期安定政権の足場固めとなるか注目されます。

(投資情報部 澤田 麻希)

②米国:インフレの状況とFRBの認識を注視

今週の振り返り

  引き続き、急速な金融引き締めが景気後退を招くとの警戒感が、相場の重石となりました。

来週の展望

 ECB主催の会議でパウエルFRB議長は、経済成長より物価安定優先姿勢を示しました。

 30日発表の5月コアPCEデフレーターに加速感はなかったものの、依然高水準で、株式市場では、FRBは当面、積極的な利上げを継続し、このことが景気を減速させるとの懸念は根強いとみられます。

 経済指標では、6月ISM非製造業景況指数(6日)、6月雇用統計(8日)が注目されます。また、翌週13日発表の6月CPIが注目されます。引き続きインフレの状況と、FRBのインフレと景気認識を注視していきたいと考えます。

(投資情報部 村山 誠)

③新興国:ブラジルのこれまでの大幅利上げの効き目は?

今週の振り返り

 外貨を大量に保有する企業にリラ建て新規融資を禁止し、外貨売りを促す通貨安対策を発表したトルコリラは反発、世界景気悪化懸念が強まる中、他の新興国通貨は軟調に推移しました。

来週の展望

 ブラジルでは5日に5月鉱工業生産、8日に6月消費者物価が発表されます。同国中銀は6月の金融政策会合の声明文で次回8月会合は6月と同程度かより小幅の利上げを予測しているとしており、追加の利上げ余地が限られる中で、インフレが抑えられているかが注目されます。また、足元で鉄鉱石など国際商品市況が軟化していることがレアルを下押ししていますが、中国経済の動向にも注目です。

(投資情報部 岩崎 晴弥)

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