米国市場の動向

米国の非製造業が好調、株価は反発

 3日の米国株式市場で、NYダウは前日比+1.28%、S&P500指数は同+1.56%、ナスダック総合指数は同+2.58%と反発しました。7月ISM非製造業指数は56.7と市場予想の53.5や6月の55.3を上回る予想外の好調さとなりました。景況指数が59.9と1月の同59.9以来、新規受注が59.9と3月の60.1以来の高さとなっており、こうした指標の上昇が先行きの好転を示しています。

相場の注目点

FOMC明け、FRBの「タカ派」高官の発言に注目

 先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)を終え、ブラックアウト(発言自粛期間)を終えたFRB(米連邦準備理事会)高官による発言が相次いでいます。FOMCにおける投票権を持つセントルイス連銀のブラード総裁は、大幅な利上げを前倒しで実施し、政策金利を年末に3.75%~4.00%とすることが望ましいとの見解を表明しました。8月3日時点のOISやFF金利先物などから計算される政策金利見通しについては、現在の2.25%~2.50%の政策金利レンジに対して年末は3.25~3.50%がコンセンサスとなっており、同総裁の発言は市場予想よりタカ派的なスタンスとなります。本日も、FOMCに投票権を持ちタカ派とされるクリーブランド連銀のメスター総裁の講演が予定されており、発言が注目されます。

米国でヘルスケア決算相次ぐ、日本株へのインプリケーションは

 個別銘柄では、ヘルスケアセクターの決算が相次ぎます。3日米国時間寄り前に決算を発表した、RNAワクチンを開発するモデルナ、バイオ製薬のギリアド・サイエンシズは両社とも、売上高、一株当たり利益で市場予想を上回り、前日比で株価は上昇して引けています。野村の医療セクターアナリストによる分析によれば「欧米企業の決算を見る限り、欧米カテーテル手術件数は1~3月期からゆるやかに改善している」としています。また、ロックダウンの影響が大きい中国に関しては、ジョンソン・エンド・ジョンソン社を例として「4~5月に中国手術件数が前年同期比25%減」であるが、「中国の検査・手術件数は7月には改善」し「4~6月期に限定された一過性のリスク」と捉えています。本日は、日本でもシスメックスが決算発表を予定しており、場中の株価動向と共に業績が注目されます。

 その他、ソフトバンクやユニ・チャームが決算発表を予定しており、いずれも市場の高い関心が集まります。

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