米国市場の動向

雇用統計を控え、主要3指数は小幅な騰落に留まる

 4日の米国株式市場で、NYダウは前営業日比-0.26%の32,726.82ドルとなりました。S&P500指数は前営業日比-0.07%、ナスダック総合指数は同+0.41%となり、主要3指数の中ではナスダック総合指数のみが続伸しました。4日、英中央銀行のイングランド銀行は、政策金利を0.5%ポイント引き上げ1.75%にすることを発表しました。また、インフレ加速が重石となり英国経済が1年超のリセッションに向かいつつあるとの見通しを示しました。米国では、週間新規失業保険申請件数は26万件と市場予想と一致したものの前週から増加し、継続受給者数は141万6000件と予想を上回りました。インフレ加速や金融引き締めによる景気後退を懸念する見方が広がり、NYダウやS&P500指数は小幅ながら下落して取引を開始しました。主要3指数は5日の雇用統計に対する投資家の様子見姿勢もあって小幅な値動きで推移しましたが、個別銘柄では中国ECのアリババや製薬企業イーライリリーなどの株価が、企業決算を受けて動意づく場面も見られました。景気後退への懸念が広がるなかWTI原油が一時88ドルを割れる場面もあり、エネルギーセクターには重石となりました。この日の、米主要3指数は前営業日比で小幅な騰落となり取引を終えています。

相場の注目点

日経平均先物CMEは日経平均の前営業日終値をやや下回る

 日経平均先物CME終値は27,870円となりました。日経平均株価の前営業日終値(27,932円)をやや下回る水準です。原油先物価格の下落を受け、米国市場同様にエネルギー関連株が軟調となる可能性が懸念されます。また、米国市場同様に雇用統計の発表を控えるなかで、投資家の様子見姿勢が続くことも考えられます。加えて、ペロシ下院議長の訪台以降、台湾を巡って中国の強硬姿勢が強くなっているため、地政学リスクの高まりには注意が必要です。

国内では引き続き企業決算発表

 前日場中に発表されたトヨタ自動車の決算では、実績が前年同期比で増収減益となり、営業利益が市場予想を下回りました。会社は円安を追い風に通期売上高見通しのを引き上げましたが、原材料高などを受け通期の営業利益見通しは据え置きました。決算発表後に株価は下落し、東京市場の重石となりました。引き続き、企業決算発表が注目点です。本日は、取引終了後には東京海上ホールディングス、三菱地所、エヌ・ティ・ティ・データなどが決算の発表を予定しています。通期の見通しに加えて、為替を除いた事業環境の良し悪しが、その後の株価動向を左右する可能性もありそうです。

米国で7月雇用統計が発表予定

 本日5日に7月雇用統計が発表されます。FRB高官などがインフレ抑止に向けた姿勢を再度示す中で、労働市場の動向へ注目が集まります。また、米国の個人消費の動向を考える上で賃金上昇率などにも注目されます。
 また来週は週後半から注目度の高い経済統計の発表が続き、10日が米国7月消費者物価指数、11日が米国7月生産者物価指数、12日が8月ミシガン大学消費者信頼感指数が予定されています。

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