海外市場の動向

米政策金利の見通しがタカ派化、米国株は乱高下ののち安値圏へ

 21日の米国株式市場でNYダウは前日比-1.70%、ナスダック総合指数が同-1.79%、S&P500が-1.71%と3指数揃って続落しました。FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表され、9月利上げ幅の0.75%ポイントは想定内だったものの、示されたドッツ(政策金利見通し)は市場予想よりもタカ派的で、株式市場は乱高下ののち本日の安値圏で引けました。

相場の注目点

FOMC、何がネガティブサプライズだったのか。日本株への影響は?

 9月FOMCのドッツでは、2022年末の中央値が4.375%と年内累計で1.25%ポイントの追加利上げが示されました。これは11月FOMCで4会合連続となる0.75%ポイントの利上げとなることを意味し、利上げ幅の縮小を見込んでいた市場にはネガティブサプライズとなりました。2023年末の中央値も4.625%と、2023年中に0.25%ポイントの追加利上げがあり、かつ利下げは行われない見通しとなります。

 これを受け、野村證券の池田チーフ・エクイティ・ストラテジストは日経平均株価の年末値は26,000円、年内安値は24,500円と予想しています。次の注目ポイントとして10月13日発表の米CPI(消費者物価指数)を挙げた上で、「調整のボトムは、10月半ばから11月2日(FOMC)」としています。

参考:FOMC結果と当面の日本株シナリオ

 なお、9月FOMCでは2022年の成長率見通しが+0.2%と前回の+1.7%から大きく下方修正される等、市場のソフトランディング期待を後退させる内容でした。他方、景気減速を通じてインフレが抑制されることから、2024年/2025年の政策金利は、それぞれ0.75%ポイント/1.00%ポイントの利下げとなる見通しが示されました。6月時点と比較して2024年以降の利下げ転換の可能性がより明確に示されています

日銀はどう動く?

 FOMCのタカ派化を受けドル円が1ドル=144円台で推移する中、本日12:00頃に日銀金融政策決定会合の結果発表が予定されています。日銀会合後に145円を試す可能性は残っており、野村證券の後藤ストラテジストは「日銀は21日にも臨時輪番オペや指値オペでの国債購入を増やしており、緩和姿勢を維持するようだと、金利差拡大による円売り圧力が再燃」しうるとしており、仮に145円台に突入した場合「実際に介入発動により円安加速の回避に動いてくるかが本日の焦点となる」としています。

 明日は秋分の日で日本市場は休場ですが、欧米で9月S&PグローバルPMI速報値の発表が予定されています。景気減速が市場のテーマとなりつつある中、株式市場への影響に注目が集まります。

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