来週の注目点:米国の金融引き締め強化による景気への影響を注視

 FRB(米連邦準備理事会)による追加利上げを受け、米10年国債利回りは3.5%台と、2011年4月以来の水準へ上昇しました。金利上昇を受け、株価は軟調地合いが続いています。今後は、急速な金融引き締めによる景気への影響が注視されます。

 米国では、27日(火)に8月耐久財受注、9月コンファレンスボードの消費者信頼感指数、8月新築住宅販売件数、30日(金)に8月個人消費支出・所得統計、9月シカゴ購買部協会PMIが発表されます。企業の設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は、需要拡大と供給能力の回復を背景に増勢を強めています。一方、物価が高止まりする中、消費者センチメントの低下、個人消費の落ち込みが続いています。今後は、FRBの金融引き締め強化による総需要の抑制が、投資と消費にどのような影響を及ぼすかを見極めることが重要となります。

 日本では、26日(月)に9月auじぶん銀行PMI速報値、30日(金)に8月鉱工業生産(速報)が発表されます。製造業の景況感改善や輸出数量の伸びから、8月の生産は前月比で増産が維持される見込みです。

 欧州では、26日(月)にドイツで9月Ifo企業景況感指数、30日(金)にユーロ圏の9月消費者物価指数(HICP)が発表されます。エネルギー供給不安に伴う企業の先行き不透明感が強いことから、景況感は低迷が続くでしょう。野村證券では、ユーロ圏のHICPは9月に前年同月比+10%へ加速し、年内にピークを迎えると予想しています。

 中国では、30日(金)に9月政府版PMI、9月財新版・製造業PMIが発表されます。ゼロコロナ政策は政府指導部が交代する2023年3月まで維持されるとみられますが、政策緩和の効果から景況感が下支えされるかが注目されます。

(投資情報部 野手 朋香)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2022年9月22日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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