海外市場の動向

NYダウ、7営業日ぶり反発 長期金利低下が支え

 28日の米国株式市場で、NYダウは前日比+1.88%、S&P500は同+1.96%とともに7営業日ぶりに反発、ナスダック総合指数は同+2.05%と続伸しました。市場のリスク回避姿勢の一因となっていた英国の動向が好材料視されています。イングランド銀行が期間20年以上の長期国債を金額に制限をつけず購入すると発表し、欧州長期金利と共に米長期金利(10年国債利回り)が低下し、前日比-0.21%ポイントの3.73%となりました。

相場の注目点

日経平均株価は「割安」か?PERとPBRで検証

 株価指数の割安度を測る指標として代表的なものに「PER」と「PBR」があります。これを基に、足元の株価の位置を確認してみましょう。

 PERは、株価が1株当たりの利益の何倍まで買われているかをみる指標です。企業の利益からみて今の株価水準を、市場がどのようにみているかを判断するための目安の一つとなります。コロナ禍以降の日経平均株価PERについてみてみると、①コロナ禍で利益が一時的に減少したことで、2020年から2021年前半にかけてPERは割高な水準となりました。その後は②業績見通しの改善を背景に、2000年代のレンジである12~14倍に回帰しました。③2022年4-6月期決算では、コスト増や供給網の混乱による通期業績予想の下方修正はありましたが修正幅は限定的で、PERは大きく上昇しませんでした。④足元の株価下落でPERは大きく低下し9月27日時点で11.9倍と、2000年代のレンジを下回る割安な水準に達しています。

 一方、PBRは、株価が1株当たりの自己資本の何倍まで買われているかをみる指標です。足元、日経平均株価のPBRは1.19倍となっています。これは、2000年以降の平均的な水準(約1.4倍)よりかなり割安な水準と言えます。なお、実績ベースの日経平均株価BPS(1株当たり純資産)は、年々増加しています。一部に資産価格低下等により自己資本が減少する企業はあるものの、着実に増加するBPSが株価の安定に寄与しています。

 なお、これらの試算のもととなっている日経平均株価の9月27日終値26,571円に対し、昨日米国市場の日経平均CME終値は26,480円と若干の乖離がある点にはご留意の上、参考にしていただければ幸いです。

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