米国株は8月中旬にかけて一旦値を戻したものの、今後の金融引き締め継続に伴う景気悪化懸念が高まり、再び下値模索となった。米国株の代表的な株価指数であるS&P500指数は9月に大幅安となり、6月ボトムを下抜けし、年初来安値を更新した。一方、恐怖指数とも呼ばれるVIX 指数は30を超えた。VIX 指数はオプション取引のボラティリティ(変動率)を元に算出され、数値が高いほど、投資家が今後の値動きが激しくなると予測していることを表し、また投資家が先行きに不安や恐怖を感じていると考えることができる。

 株価指数とVIX 指数の関係(図1)をみると、VIX 指数が30を超えていた時は、一般的には株価が急落してマーケットが荒れている時期と言える。図2は、VIX 指数30超えの日から各々の期間までのS&P500指数の平均リターンを表している。1990年からの長期でみても2009年からの中期でみても、良好なパフォーマンスとなっている。またVIX 指数30超えからの期間別のパフォーマンスをみると、長期になればなるほど上昇率が高まっており、例えばVIX 指数30超えの1カ月後に投資した場合も、その後のパフォーマンスはプラスになっている。市場が急変した際に慌てずに、様子を見てから投資をしても十分妙味があるといえる。

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※野村週報 2022年10月17日号「投資の参考」より

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