米利上げ期待が更に高まり、ドル円は148円台後半まで上昇した。米株は大幅反落、豪ドルやNZドルは円以上に売られている。円安ドル高が続く中、今週はどのタイミングで本邦当局からの介入発動があるかが注目となる。鈴木財務相は17日、「投機的動きがあれば断固たる措置を取る」にと発言、当局の牽制姿勢は大きく高まっている。150円突破を前に、当局が介入に踏み切る可能性は相応に高いと見た方がよさそうだ。17日の日銀当預増減要因の予想からは、既に13日に介入を実施していた可能性も完全には排除できない。介入があれば、一時的な円高ドル安での反応が予想されるが、前回と比較してサプライズ性は乏しくなる。介入後も日銀の金融政策姿勢に変化が見られないことも周知されている。ドル円の上値を試す市場の機運を削ぐためには、前回ないしはそれ以上の金額での介入を行うことが必要となりそうだ。

 米国では11月FOMCに向けたブラックアウト(発言自粛期間)入りを前にしたFRB高官からのコミュニケーションが重要だ。11月FOMCでは75bp利上げ継続の公算が大きくなっているが、12月FOMCでの75bp利上げ継続の機運が高まるようだと、ドル円には一段の上昇圧力が掛かる21日(金)NY連銀ウィリアムズ総裁講演などで、9月CPIの上振れを受けたFRB高官の姿勢の変化に注目したい。経済指標面では、住宅関連指標や地区連銀製造業景況感調査などが予定されている。

 日本では21日(金)全国CPIのコア前年比伸び率が+3.1%と8月(同+2.8%)から加速、3%超えを達成する見込みだ。日銀版コアコアCPIインフレ率も前年比+2.0%と2%目標の達成が見込まれる。もっとも、日銀は賃金上昇率を重視する姿勢であり、早期の政策変更の機運は高まらなさそうだ。20日(木)貿易統計では季節調整後で2兆円前後の赤字が予想されるが、赤字幅の拡大には一服感が見られる可能性が高い。ドル円相場が高値更新を続ける中、本邦当局の介入ないしは口先介入の動向が短期的なドル円相場にとって重要な状況が続きそうだ

※2022年10月17日発行「国際金融為替ウィークリー」より一部抜粋(レポート本文はプレミアムプラン限定)

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