以下の図は米国の政策金利と米国10年国債利回りの推移と今後の予想です。米国の中央銀行であるFRBは、インフレの抑制と好景気持続の両方を目指していますが、現在の米国では、FRBがインフレを抑え込むためなら景気悪化もいとわない強い姿勢で利上げを続けています。そのFRBの姿勢をうけて、景気の先行指標である長期金利、10年国債の利回りは景気悪化を織り込み、ピークアウトして2023年は低下していくと野村證券では予想しています。 

債券投資のポイント

 外国債券のような固定金利の商品と、外貨MMFのような変動金利の商品では、先行きの金利見通しによってどちらが運用に適しているかが変わってきます。固定金利の債券は購入時の金利が変わらないので、購入後に金利が低下すると相対的に債券の価値が出てくるので債券価格は値上がりする傾向にあります。逆に購入後に金利が上がっても、購入時の低い金利しかもらえないので、相対的に債券の価値が下がって債券価格は値下がりする傾向にあります。

 結果、一般的には今後金利低下が予想される場合には固定金利の債券が有利であり、金利上昇が予想される場合には外貨MMFのような変動金利の商品が有利だと言えます。 もし利上げによる景気減速と今後の金利低下を予想するのであれば、変動金利ではなく固定金利で運用をするのも賢い選択肢なのかもしれません。

(野村證券投資情報部 東 英憲、服部哲郎)

ご投資にあたっての注意点