コワーキングスペースには、異なる職業の人たちが集まり作業場をシェアするという目的がある。そんなスペースを活用し、新たな“人が集まる場所”づくりが盛んになっている。

 特定非営利活動法人サンカクシャは、東京都豊島区に親や身近な大人を頼れない15~25歳の若者の就労をサポートする居場所「サンカクキチ」を開設した。同施設は、利用登録が済んでいれば予約なしに自由に利用できる空間として開放し、若者が自由に過ごせる居場所として機能する。その他、就労サポートのプログラムを複数実施しており、連携企業の依頼主から会計業務や動画編集などのリアルな仕事の依頼を受けることが可能。サポート企業の社員と若者がざっくばらんに交流し、社会人や仕事へのイメージを深める交流会などを催している。また、若者のサポート活動に参加するボランティアや連携団体の大人も利用できるコワーキングスペースを併設。若者をサポートしたい大人たちも立ち寄りやすい場をつくることで常に若者と大人が共存し、自然な交流が生まれているという。

 ㈱ワイオーユーが事業を開始したのは、席で喫煙可能なコワーキングスペース「S LOUNGE(エスラウンジ)」。乗降客数日本一でビジネスマンが多い東京・新宿西口エリアの新宿駅西口地下道に面した、利便性や認知性の高い新宿ビルディング地下2階に旗艦店である1号店をオープンした。全席で喫煙できるのが特徴で、会員制(登録無料)、事前予約システムを導入し、一般席以外に個室ブースや商談ブースを用意。カフェスタイルの喫煙スペースとは違う、ワーキング空間を創出した。コワーキングに欠かせない高速Wi-Fi や、一人席には電源3口を常設。フリードリンク制で、退店時に利用料をクレジットカードで決済するシステムとなっている。

 人が集まる要因はさまざまだ。自分の目的に合った場所を見つけるのもまた面白いだろう。 

※野村週報 2022年10月31日号「天眼鏡」より
「天眼鏡」は、現在話題の新商品や新技術を解説したものです。ご投資の参考となる情報提供を目的としたものではありません。

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