本日の相場動向

 2日はイースター休暇のため、欧米各国の株式市場は休場となりました。2日の米国時間午前8時半に発表された3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月差+91.6万人と市場予想の同+66.0万人を大幅に上回る結果となりました。7ヶ月ぶりの大幅増加となり、多くの産業で改善が見られました。特にレストランやバーなどの飲食業が増加したため、レジャー・接客業での前月差+28万人がけん引役となりました。2月に悪天候で減少した建設業は同+11万人となりました。失業率は6.0%と、2月の6.2%から低下しました。米国では新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動再開に伴い事業への規制が緩和されていることから、労働市場が急速に回復したという見方もあります。

 短縮取引となっている米国債券市場で米国10年債利回りが一時1.73%付近まで上昇しました。また、2年および3年債利回りは2月下旬以来の高水準となり、5年債利回りも約1年ぶりの高水準を付けたことから、長短金利差は縮小しました。また、ドル円相場は1ドル110円台後半とやや円安に推移しました。

 日経平均大証先物夜間は29,980円となりました。日経平均株価の前営業日終値(29,854円)を上回る水準です。足もとのドル円相場は1ドル=110円60銭前後と、前営業日の15:00時点の110円50銭台からわずかに円安です。2日の東京市場では、日経平均株価は3万円の手前まで上昇し2連騰となりました。本日は、市場予想を大きく上回った米国3月雇用統計の影響が注目されます。他方、足元では業績の上方修正を発表する企業が目立っており、企業業績への関心が高まっています。2日の引け後には商船三井が業績の上方修正を発表しました。

 今週は小売業の決算が相次いで発表されます。緊急事態宣言の影響を受けた足元の実績はもちろん、ワクチン普及後の消費正常化を見据えた、先行きの見通しが注目点となります。円安やコモディティ価格上昇により、仕入れ環境もやや悪化している可能性があり、各社の収益性の動向にも留意が必要でしょう。カジュアル志向の高まりやECの普及といった、コロナ後も続く消費構造の変化を追い風にできる企業があるか注目しています。

 米国では5日、3月ISM非製造景況指数が発表されます。3月の市場予想は59.0となっており、2月の55.3から改善すると見込まれています。3月雇用統計では、レストランやバーなどの飲食業を中心に雇用者数の増加が示されています。新型コロナのワクチン接種進展に伴って経済活動が正常化に向かう中、サービス業景況感の改善の度合いが注目されます。

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  • オキサイド – 新規上場企業紹介:最先端の光学製品を扱う研究所発ベンチャー企業

業界

  • 海運 – スエズ運河での船の座礁事件が残した課題

マクロ

  • 米国:2021年3月雇用統計 – 非農業部門雇用者数は前月比+91.6万人
  • 日本:「こども庁」創設に関する報道 – 次期衆院選・自民党総裁選の目玉政策となる可能性
  • コモディティ・マーケット情報 – OPECプラスが増産を決定
  • 米国:コア個人消費支出デフレータ予想を変更 – 目先の上昇が予想されるが、2022年以降は保守的な想定を据え置く
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