①日本:注目の決算発表は終盤戦へ

今週の振り返り

 日経平均株価は、週前半、好決算銘柄を中心に堅調に推移しましたが、4日は、米国の11月FOMCの結果を受け、大幅に下落しました。

来週の展望

 決算発表が終盤を迎えます。来週は、ソフトバンクグループ(11日)や大手ゼネコンなどが発表予定です。今週までの決算では、原料高や中国景気減速の影響を大きく受ける企業が散見された一方、価格転嫁の進展や円安を背景に通期見通しを上方修正する企業も目立ちました。決算発表シーズン終盤もこの傾向が続けば、日本株の上昇要因となりそうです。

 また、米中間選挙(8日)の結果を受けた米国株や為替の動向にも注目です。  

(投資情報部 澤田 麻希)

②米国:幹部発言などを通しFRBによる現状認識を確認したい

今週の振り返り

 前半はFOMCを控え上値が重く推移し、FOMC結果発表後に調整しました。

来週の展望

 FOMC後の会見でパウエルFRB議長が、政策金利の最終的な水準は従来の予想より高くなるとの見通しを示したことから、株式市場では金融引き締めが長引くとの警戒感が広がっています。

 パウエルFRB議長は今後の利上げのペースはデータ次第としていることから、10日発表の10月CPIなど、経済指標を確認していきたいと考えます。また、パウエルFRB議長やFRB幹部の発言などを通し、FRBによる景気動向やインフレに対する現状認識と、金融政策に対するスタンスを判断していきたいと考えます。 

(投資情報部 村山 誠)

③新興国:メキシコのインフレはピークアウトするか?利上げ継続か?

今週の振り返り

 11月FOMCの結果を受け、米FRBの利上げ長期化と到達点上昇への懸念が高まり、新興国通貨は軟調に推移しました。

来週の展望

 メキシコでは9日に10月のCPIが発表、10日に金融政策会合が開催されます。同国では7-9月期実質GDP成長率(速報値)は伸びが加速し、インフレは高止まりしています。市場では利上げ継続が見込まれる一方、中銀は2022年10-12月期にインフレはピークとの見通しを示しています。同国は米国経済の影響を受けやすく、今後、米国の景気後退が、メキシコの景気鈍化、インフレ率低下への圧力につながれば、利上げ期待が後退する可能性があります。

(投資情報部 岩崎 晴弥)

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