海外市場の振り返り

 NYダウはほぼ横ばい圏、S&P500、ナスダック総合指数は続落となりました。中国でのゼロコロナ政策解除への期待が高まりましたが、パウエルFRB議長の講演を30日(米国時間)に控え、積極的な引き締めを示唆するとの警戒感が強まる中、S&P500は小幅安で取引を終えました。

相場の注目点 

 中国の新型コロナ感染者数が1週間ぶりに減少に転じました。中国の保健当局は高齢者へのワクチン接種強化を表明したことに加え、「地方当局は行き過ぎたコロナ規制を回避しなければならない」とコメントしています。抗議活動にまで発展した住民の不満を鎮静化し、スムーズかつ早期のゼロコロナ政策解除につながるかが注目されます。

本日のイベント

 本日はパウエルFRB議長の講演が予定されています。経済と労働市場が講演テーマとなっており、12月FOMCに向けて重要度は極めて高いとみられます。10月の米消費者物価指数(CPI)の下振れや住宅市場の減速など、インフレ鎮静化を示唆する指標も見られますが、労働市場については逼迫緩和を示す明確なデータは依然として確認できていません。FRBによる利上げの最終到達点に対する市場での織り込みは5%前後で膠着状態となっていますが、パウエル議長は来年に向けて5%を超える利上げの必要性を示唆する、あるいは市場が織り込む来年後半以降の利下げを牽制するような発言には注意が必要です。

(投資情報部 大坂 隼矢)

(注) データは日本時間2022年11月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月で、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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