海外市場の振り返り

 米国主要3株価指数は揃って上昇しました。「米7-9月期GDP、10月JOLTS求人件数が市場予想以上、WTI80ドル超え」が金利上昇要因となる一方、「米ADP雇用統計、11月シカゴPMIが市場予想を下回る」が金利低下要因となり、強弱要因が混在する展開となりました。

相場の注目点 

 こうした中で引き続き最大の注目点は「インフレはピークアウトしたのか?」「FRBの利上げパスはどうなるのか?」です。昨日の講演会でパウエルFRB議長は「早ければ12月に利上げペースが減速する可能性がある」と示唆しました。また、公表されたベージュブック(米地区連銀経済報告)では「物価上昇ペースは概ね鈍化している」と報告され、結局はこれらが好感された形で株価は上昇しました。昨日パウエル議長が改めて指摘した通り、10月CPI減速、のみではインフレピークアウトの判断は時期尚早ですので、引き続きインフレ関連の指標を丁寧に観察する必要があります。

本日のイベント

 今日の最大の注目点は11月ISM製造業景気指数です。同じ企業景況感を示す統計にPMIがありますが、これに比べて調査対象の企業は大規模です。市場予想は49.8と50割れが予想されています。50が好不況の分岐点です。市場予想を下回るようであれば、株価下落要因となるでしょう。この指数がどの程度50を下回り、その期間はどうなのか、は悪化が予想される米国経済の帰趨を占ううえでとても重要です。

(投資情報部 佐々木 文之)

(注) データは日本時間2022年12月1日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月で、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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