海外市場の振り返り

 米株式市場は雇用統計の発表を控える中で、米金融政策転換への期待と景気後退懸念の狭間で方向感の見え難い展開となり、主要3指数はまちまちの結果となりました。米国では11月ISM製造業景況指数が49.0と2020年5月以来初めて50ポイントを下回り、10月のコア個人消費支出デフレーター(食品・エネルギーを除く総合)の前月比上昇率も市場予想を下回り、前月から鈍化しました。これを受けて米国債市場では利回り曲線全体に渡って金利が低下、ドル円は135円台まで円高・ドル安が進みました。

相場の注目点 

 一昨日のパウエルFRB議長の発言は11月FOMC後の発言を踏襲するものであったにも関わらず、市場が大きく反応した背景には、「早期の金利低下、株高はFRBを再びタカ派化させるのでは」との懸念が後退したことがあったと見られます。ただし、FRBがインフレのピークアウトに確信を持つまでは、市場の懸念も残存し、経済指標に対して神経質に反応する状況が続くと想定されます。

本日のイベント

 本日は11月の米雇用統計が発表されます。景気の先行きを見る上では雇用者数が、インフレ圧力の点からは賃金上昇率、労働参加率が注目点です。

(投資情報部 尾畑 秀一)

(注) データは日本時間2022年12月2日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月で、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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