来週の注目点:米国のサービス業景況感、PPI、消費者マインドを注視

 11月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録を受けて利上げペース減速への期待が高まりました。それに対し、市場を牽制するようなFRB(米連邦準備理事会)高官らのタカ派的な発言が相次ぎましたが、11月30日のパウエルFRB議長の講演での発言はハト派的と受け止められました。そうした中で、12月FOMCに向けより一層、経済指標への注目度が高まっています。

 米国の経済指標では、5日(月)に11月ISMサービス業景気指数、8日(木)に新規失業保険申請件数(12/3の週)、9日(金)に11月生産者物価指数(PPI)、12月ミシガン大学消費者マインド速報値が発表されます。製造業と比べ、比較的堅調なサービス業が底堅さを維持出来るか、前月の下振れに続き11月のPPIも減速するか注目されます。また、年末商戦の中、ブラックフライデー後の消費者マインドにも注目です。

 中国では、5日(月)に11月財新版・サービス業PMI、7日(水)に11月貿易統計が発表されます。中国政府のゼロコロナ政策は緩和の兆しを見せていますが、新型コロナ新規感染者数は増加し、多くの大都市で行動規制は続いており、輸入統計を通じてこうした景気減速の度合いを測ることになりそうです。

 新興国では、7日(水)にインド、ブラジルの金融政策会合が予定されています。インドは追加利上げ幅、利上げの終着点が注目されます。 

 日本では、6日(火)に10月家計調査、7日(水)に10月景気動向指数、8日(木)に11月景気ウォッチャー調査が発表されます。経済活動再開による景気回復期待や原油価格の下落による企業のコスト低下期待が高まる一方で、相次ぐ値上げを受けた家計のマインドや消費の動向などを把握する上で重要な統計となります。

(投資情報部 岩崎 晴弥)

(注)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2022年12月2日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

【FINTOS!編集部発行】野村オリジナル記事配信スケジュールはこちら

業種分類、Nomura21 Globalについて

ご投資にあたっての注意点