海外市場の振り返り

 米主要3株価指数はまちまちの展開でした。NYダウは横ばいだったものの、S&P500指数とナスダック総合指数は続落となりました。米10年国債利回りが一時3.4%へと低下し、9月以来の低水準となるなど、米国景気減速を懸念する見方が広がりました。S&P500指数11業種の騰落では、景気敏感セクターを中心に8セクターが下落しました。なお、米週間石油在庫統計で燃料在庫が予想以上に増加したことを受けて、WTI先物価格は1バレル=72.01ドルと、年初来安値を更新しました。

相場の注目点 

 米国では、2022年8-10月を決算期とする小売企業やソフトウエア企業を中心とした米企業の決算発表が続きます。本日はブロードコムやドキュサインなどが発表を予定しています。足元では、米国企業による人員削減のニュースや、CEOなど経営トップから来年の米国景気悪化を示唆する発言が相次いでいることから、米国景気の先行きに対する警戒感が高まり、株式市場の重石となっています。決算発表では、実績に加えて会社側が示す見通しに注目が集まります。

本日のイベント

 本日は、14時に日本の11月景気ウォッチャー調査が発表されます。経済活動再開による景気回復期待や原油価格の下落による企業コストの低下期待が高まる一方で、相次ぐ値上げを受けた家計のマインドや消費の動向などを把握する上で重要な統計となります。

(投資情報部 澤田 麻希)

(注) データは日本時間2022年12月8日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、中心限月で、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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