日本で再び高インフレが定着することは容易ではない模様

直近(2022年10月)の日本の消費者物価の前年比上昇率は+3.7%と、1991年1月以来の高水準を記録しました。直近の消費者物価上昇率が7%台後半の米国や二桁に達しているユーロ圏、英国と比べれば依然として低いとはいえ、日本でもインフレ率の上昇に対する警戒感が高まっているようです。

そこで過去のインフレ率を振り返ってみると、高度成長期と言われた1960年代の平均は+5.4%、オイルショックに見舞われた70年代の平均は+8.9%でした。その後、安定成長期と言われた80年代には+2.5%程度に低下、平成バブルと言われた80年代末から90年代初頭にかけても+4.0%程度が上限だったことがわかります。

当時と比べて日本の平均成長率が低下しており、賃金上昇率が上がりがたいといった点を踏まえると、日銀の掲げる2.0%の物価安定目標の達成も容易ではなさそうです。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

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