まずは75日線早期奪回となるか注目

 日経平均株価は4月に一時3万円台を回復したものの、2月高値形成後の上値抵抗線突破に失敗し、再度調整となりました。その後4月20日、4月21日に連日の大幅安となり、3月24日安値形成時や昨年7月~10月にかけて下支えとなった75日線(21日:29,118円)の水準を下放れました。この先早期に同線を奪回できるかがまずは注目ポイントです。

昨秋以降上昇幅の1/3~50%押しが下値メド、日柄調整は進展

 週足チャート上では、日経平均株価は2月高値形成後、昨年10月安値以降の上昇(中期的上昇)に対する調整局面をこなしていると考えられます。 過去の押し率(下図①~③)を参考とすれば、同上昇幅に対する1/3押し(終値ベース:27,970円)~50%押し(26,722円)の水準が、さらなる調整が続いた際の下値メドとして挙げられます。

 また日柄の観点では、2月高値形成後、足元で10週が経過しています。過去の動向と比較すると、調整が進展しつつあるといえます。

長期的な上昇トレンド自体は継続へ

 日経平均株価のトレンドを長期波動の観点で見ると、昨年3月安値形成後に長期上昇相場がスタートしたと考えられます。

 前回の長期上昇局面(2016年6月~2018年1月)は84週続きましたが、今回は今年2月高値形成時点まで49週に留まっています。また当時は、その間に中期上昇が4回内包されていたのに対し(4段上げ)、今回は2段上げに留まっています。これらを参考とすると、今年2月高値形成後の株価の動きは、中期波動上の調整と捉えられるため、それら調整をこなしつつ、長期的な上昇トレンド自体は継続すると考えられます。

(注1)週足は終値ベース。直近値は2021年4月21日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

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