FINTOS!編集部では、ゴールデン・ウィーク特集として、日本株時価総額ランキング上位20銘柄のチャート分析を行いました。

 週足チャートを用いて、チャート分析上の注目点を記しています。連休後の投資戦略を考える上で、ご参考になれば幸いです。

※時価総額ランキングならびにチャート分析は、2021年4月22日時点のデータを基に作成しています。

5位:日本電信電話(9432) 情報・通信業/10.9兆円

 当社は、日本国内では固定通信、携帯通信事業、不動産事業を手掛けるほか、内外でデータ通信事業やデータセンター事業を営んでいます。

 当社の株価は、今年3月以降調整含みの動きとなり、13週線を挟んだ攻防が続いています。この先同線を下放れた場合は、26週線や、昨年10月以降の上昇幅に対する半値押し水準(2572円)などが、さらなる下値メドとして挙げられます。

 一方、調整一巡し今年3月高値奪回となれば、中期的に1999年以降の下落幅に対する2/3戻し水準(3501円)に向けた動きが期待されます。

4位:キーエンス(6861) 電気機器/12.6兆円

 当社は、国内最大手で、世界でも有数のFA(工場自動化)用センサメーカーです。

 当社の株価は、今年2月に高値形成後、3月に52週線の水準まで調整しました。足元は13週線や26週線に上値を抑えられる展開となっており、まずこれらの水準を早期に奪回できるかが注目点です。

 一方、この先弱含みの展開が続き、52週線を割り込んだ場合は、次の下値メドとして、昨年3月以降の上昇幅に対する半値押し水準(44107円)が挙げられます。

3位:ソニーグループ(6758) 電気機器/14.8兆円

 当社は、エレクトロニクス、エンタテインメント、金融の3つの領域に事業を展開しています。

 当社の株価は、今年2月まで上昇した後、高値圏で値固めの動きとなっています。この先、今年2月高値を奪回し、13週線や26週線を下支えとした上値追い再開となるか注目されます。

 一方仮に、目先上値が重い動きが続いた場合は、昨年10月に下支えとなった26週線や、昨年3月~今年2月上昇幅に対する1/3押し水準(10129円)などの水準で、下げ止まりの動きが期待されます。

2位:ソフトバンクグループ(9984) 情報・通信業/21.1兆円

 当社は、ソフトバンク、ARM、投資ファンド運営会社を子会社に有し、経営の重点を通信事業から投資事業に移しています。

 当社の株価は、今年3月高値形成後に押しを入れましたが、昨年以降下値サポートとなってきた13週移動平均線の水準で下げ渋りの動きを見せています。主要な移動平均線はいずれも上向きであり、調整一巡後、再び同高値(10695円)に向けて戻しを試す動きとなるか注目されます。

 一方仮に、この先再び押しを入れる展開となった場合は、昨年9月に下支えとなった26週線や、昨年3月~今年3月上昇幅に対する1/3押し水準(7999円)などが、下値のメドとして挙げられます。

1位:トヨタ自動車(7203) 輸送用機器/27.3兆円

 当社は、販売台数、利益ともに世界トップクラスの自動車メーカーです。

 当社の株価は、今年3月に、2015年3月につけた史上最高値8783円まで接近しました。主要な移動平均線は上向きであり、今後、昨年以降下値サポートとして機能している13週線や26週線を下支えとしながら、最高値更新に向けた動きが期待されます。

 一方仮に、この先上値の重い展開となった場合は、26週線や、20年3月以降の上昇幅に対する1/3押し水準(7731円)などがある7800円前後の水準が、最初の下値メドとして挙げられます。

(注1) 株価は修正株価でザラ場ベース。直近値は2021年4月22日。図中の「〇週線」 とは移動平均線を指す。  (注2)株価表記について、2014年7月以降、一部の銘柄の呼値の単価変更により、小数点以下第1位まで表記しているものがある。(注3)トレンドラインには主観が含まれていますので、ご留意ください。またご投資に際しては、企業業績や投資尺度などテクニカル以外の要素についてもご確認ください。 
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。 また、記載されている内容は、一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。

ご投資にあたっての注意点