(※GW中に最も読まれた記事の再掲載です – 5/7 FINTOS!編集部)

相場の格言はイギリス由来

 「セル・イン・メイ」という格言を聞いたことがありますか? 5 月にいったん売り逃げろ、でも秋口からの相場は取り逃すな、という先人の教えです。

 元々は、イギリスに伝わる相場の格言 ”Sell in May and go away, but remember to come
back until St.Legers Day. 5 月に売り逃げて、その後はセント・レジャーズ・デーまでに戻ってこい”で、マーケットが軟調になりやすい5 月から夏場の間は、相場から離れた方が賢明なことを示唆する言葉。セント・レジャーズ・デーとは、イギリスで9 月第2 土曜日に行われる大規模な競馬レースの日です。

 アメリカでは、9~10 月に株価が復調する傾向があることから、米国で10 月末に行われるイベント“ハロウィン”にちなんで「ハロウィン効果」とも呼ばれます。いずれも明確な根拠はないのですが、有効なアノマリー(経験則)とされています。

 NY ダウと日経平均株価の月別パフォーマンス(戦後~2020 年平均)を見てみると、下図の通りです。やはり年の半ばは、弱含みな傾向が見えますね。

月別パフォーマンス動向

(注)2020年末時点のデータで作成。
(出所) S&P ダウジョーンズ・インデックス社、日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

日米株ともに、この先押し目買いの好機が到来か

 上記の傾向によると、「セル・イン・メイ」の教えは、現在でも有効と言えそうです。そこで、この月別動向の特徴に則って「9 月末に買い、4月末に売り」を繰り返した場合(A)と、その逆のタイミングで売買を繰り返した場合(B:4 月末に買い、9 月末に売り)のパフォーマンスを検証してみました。

平均騰落率比較
平均勝率比較(上昇した月が占める割合)

(注)データは月末値同士を比較。ただし直近値は2021年4月26日時点のデータを用いて算出。
(出所) S&P ダウジョーンズ・インデックス社データより野村證券投資情報部作成

 NYダウ、日経平均株価ともに、騰落率と勝率(上昇した月が占める割合)の両面で、二つの期間のパフォーマンスの違いが歴然ですね。また長期(70 年超)でも短期(直近10 年)でも、傾向が変わらないのも確認できます。これらを踏まえると、秋までに買って春に売るサイクルは、有効な投資手法であると言えそうです。

 冒頭の月別パフォーマンス動向を参考とすると、株式市場はこの先秋口にかけて、弱含みの動きとなる可能性がありそうです。ただそのような場面は、中長期的な投資スタンスに立てば押し目買いの好機と捉えることができると考えられます。

この資料は、投資判断の提供を目的としたものではなく、一般的なテクニカル分析の手法について記したものです。テクニカル分析は過去の株価の動きを表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。

ご投資にあたっての注意点